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花言葉
ミセバナ(ダイアリ/ジェリコ)





「ジェリコ、あなたそろそろ休憩した方が良いわ。働き過ぎよ」

「これが…終わったらな」


私の言葉なんて無視して、彼はひたすら書類に目を向けている。

一度だったら仕方がないと諦めるだろう。

二度だったら渋々、自分が食い下がるだろう。

しかしもう三度目になる。

後少しなら待つ…けれど、己のこの目で確かめてみた結果、まだまだ時間がかかる量の書類の数だ。

これ以上、私が引くわけにはいかない。


「もう三時間帯前から同じ事聴いてるんだけど!」

「でも、今止めるわけには…」

「倒れてからじゃ遅いのよ!」


私はバッと彼の書類を奪い取った。

部下でありながら上司の仕事の邪魔をする。

端から見たらとても馬鹿な行動だろう。

だが私は、自分がとった行動に迷いはなかった。


「!……リツカ」

「ジェリコ、お願い。美術館の館長なら私がやるから…」

「ふっ…馬鹿だな…リツカには律華の、決められた役があるだろ」

「それじゃあ1人にしないでよ…」

「…はあ、お手上げだな」

降参だとでも言ったように、彼は両手を上に上げた。

そしてようやく、視線が交わる。

目があったジェリコは、ニカッと口元を緩めた。

嫌な予感しかしない。


「こうなったら、リツカが相手してくれるんだよな?」

「は?」


何を言ってるの、と言おうとした口は、彼の唇によって塞がれた。

流されるままキスに必死になって、彼の首もとへ腕を回すと、浮遊感に包まれた。

気付けば既に、ベッドの上…である。


「ちょ、何服まで脱がしてるのよ!」

「誘ったお前が悪い」

「誘った!?私は貴方に休んで欲しくて…!」

「これが俺の休息なんだよ」

「もうっ…!馬鹿ね」




大切なあなた





2013.02.18.高神蘭.



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