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はるなLong
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やってしまったやってしまった…!まさか、あんなところをよりによって榛名なんかに見られてしまうなんて!
もう過ぎ去ったことを今さら悔やんだところでどうしようもない、ということは当事者である私が一番よく分かっているのだけれども、そう思わずにはいられない。


「ちょっと、優その不機嫌そうな顔やめてよ。」

「えー…あたし、そんな顔してる?」


隣りを歩く響子に視線を傾けると、「今のアンタなら野良犬ぐらいなら睨み殺せそうだよ」とか物騒なことを言われてしまった。さすがに何の罪もない動物を殺すのはかわいそうだと思い、いつもどおりの表情に戻そうと努める。


憂鬱なまま、教室の戸を開いて中を覗くとどうやら榛名はまだ来ていないらしい。
入口に突っ立ったまま、ふぅ、と安堵の溜め息をついた瞬間、背後から「邪魔なんだけど、」と声がかかったのに吃驚して後ろを振り返ると、大きなエナメル鞄を右肩にかけた榛名が立っていた。


「わ、おはよう。」

「はよ…。つーか入口塞いでんなよ。」


ああ、ごめん。そう言って、道を開けたのに榛名は一向に教室の中に入ろうとはせずに私の顔をジッと見つめてきた(と、言うより睨んできた、という表現の方が正しいかもしれない。)


「なに?あたし、なんか変?」

「や、別にそーゆーんじゃねぇけど…」


いつもの威勢はどこへやら、少し尻すぼみな話し方をする榛名に少しの違和感を覚えつつも、一昨日のこともあって下手に詮索するのは少しためらわれる。
何を話すべきか分からなくなって、お互いに沈黙が訪れかけた瞬間、響子の「あ、」という気の抜けた声にそれは阻まれた。


「榛名、優があげた御守りちゃんと付けてんじゃん。」

「あ、ホントだ。」


響子に倣って私も榛名のエナメル鞄へと視線を移す。確かに、そこには私があげたあの御守りがぶら下がっているではないか。「付けてくれたんだ、」と素直な感想を述べると、何を思ったのか榛名はかなり慌てた様子で手を横に振りながら、少し早口で語り出した。


「相澤が効果あるって言うから付けただけだ!」


別に他意はないからな!、と声を大にしてニヤケ顔の響子に食ってかかる様子を見たら、体の大きな榛名がなんだかとても幼く思えて、その不釣り合い具合に声を出して笑ってしまった。




Commediadell'Arte12





「昨日の試合、御利益あった?」
「おう、バッチリ。」



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(0625)久々
 
 



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