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仮面紳士な彼
 
 
「先パイ、ジャグ持ちますよ!」
「いーから!準太は休んどいてよ。」



準太の申し出を断って、急いでジャグを水飲み場まで運んでいく。私の1個下の後輩は、やたらと世話をやきたがる。それこそ、私が女だからっていう理由でどっちが先輩だか分からないくらいに。





普段はマネジは先に帰してもらえるけど、今日に限っては過去の大会の記録整理やらをしていて随分遅くなってしまった。暗い夜道を一人で帰らなければいけないのかと思って、自然と重くなった足取りで部室の扉を開けると、そこには準太が立っていた。



「あれ、先帰ったんじゃなかったの?」
「いえ、先輩待ってたんス。」



暗い夜道に女一人は危ないですから、そう言って彼は歩き出そうとした。なんだか、その理由は面白くない。女だからって理由だけで、こんな優しくされんのは私の変なプライドが拒絶する。



「あのさ、」
「なんスか?」
「女だからってそんな優しくしないでよ。」
「へ?」
「そーゆーのされて嬉しい人もいるかもしんないけど、あたしはヤなの。」
「なんでですか?」
「あたし、男女平等主義者だから。」



そう答えると、なにが面白かったのか彼はいきなり吹き出して、お腹を抱えて笑い出した。ちょっとちょっと!何がおかしいのよ!



「先輩、オレが先輩に親切にすんのは別に女だからって理由だけじゃないスよ。」
「じゃあ、何よ?」
「自分で考えてみてください。」



仮面紳士な彼(高瀬準太)



(フェミニストだから?)
(いいえ、下心です。)




080412 稲葉

Thanks:確かに恋だった


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過去最短で書き上げた^^だからこんな出来…いつもと何も変わらないとか突っ込みはナシの方向で(…)



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