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がりがり。 (ミスブチャ)

不穏エロです。珍しく最後以外甘くないです。
めっちゃ噛みます。血が出ます。
でも最終的にばかっぷるです。
それでも良ければどうぞ!























特に、原因なんてなかった。
後でわかったことだけど、その日はたまたまブチャラティの機嫌が悪かった、それだけだった。

「・・・ブチャラティー」

俺は猫なで声で、ブチャラティの名前を呼んだ。
呼んでもブチャラティは返事も振り返りもしなかったから(すぐ隣にいるんだから、聞こえないわけがない)、俺はブチャラティに後ろから抱きついた。
今日は何となくそんな気分で、そのまま耳でも噛もうかと思ったら、

「・・・」

ブチャラティが、それはもう不機嫌な顔で振り返った。
へばりついている俺の顔を手で押しのけながら、

「うざい。邪魔。触るな」

と、心底嫌なのが滲み出ているような、普段よりも低い声で吐き捨てた。
俺は少しむっとしたけど、ブチャラティの機嫌があまりにも悪かったから、「何だよー」と言いながら素直に離れた。
そして、このあとどーすっかな、なんて考えながら、自分の部屋に戻ろうと思って扉に近づいた。ら、

「・・・・・・」

ブチャラティが不機嫌な顔のまま、俺に近づいてきた。

「・・・なんだよ、ブチャラティ」

「・・・」

ブチャラティは俺を睨んだまま何も言わない。
俺はわけが分からなくて、ただその場に立ち尽くして、ブチャラティを見つめていることしかできなかった。
そしたら突然、ブチャラティが俺にキスをした。

「・・・っ!?」

俺はもう、本当に意味がわからなくて。
つい一分前に「うざい。邪魔。触るな」と俺を押しのけたブチャラティが、ぶすっと不機嫌なまま俺にキスをしている。
普段から気分屋で天の邪鬼なところがあるのはわかっていたけれど、今日のこれは流石に真意をはかりかねる。
でもまぁ、俺にだけわがままを言うところとか、実はそんなに嫌じゃないし。やらせてくれるんならいいかと思って舌を入れようとしたら、

「・・・イッ」

舌を噛まれた。

「・・・っ、おい!なんなんだよ!」

ブチャラティの行動の真意が掴めず、わけはわからないし舌は噛まれて、俺は苛立ったまま怒鳴るように言った。

「なにがだ」

ブチャラティはにやりと笑うわけでもなく、真顔で俺にそう言う。
それが余計に、俺の苛立ちを煽る。

「なにがって、何で噛んで・・・いってぇ」

喋ると舌がぴりぴりと痛み、じわりと涙が浮かんだ。
でもブチャラティは「ふん」と、ざまあみろとでも言いたげな顔で、

「ギャングがそんなんで痛がってどうすんだ」

と吐き捨てた。

「は、ああっ!?」

謝るわけでもからかうわけでもなく変な理屈を持ち出すブチャラティに、俺がキレた。

「いい加減にしろよ」

俺が睨みながらキスしようとすると、ブチャラティはそれをふい、と避けた。
それでもブチャラティの顔は、にやりとも笑わない。
俺は実は、それが一番おもしろくなくて。

「・・・っ」

「っ、わ」

無理矢理腕を掴んで引き寄せて、勢い任せに口付けた。
がち、と歯があたって痛い。どうやらそれはブチャラティも同じだったらしく、驚いていた顔を顰めた。
俺はその表情に少しにやりと笑い、無理矢理舌をねじ込む。だけど、歯列をなぞっても上唇を噛んでも、ブチャラティは口を開けなかった。
それに俺はまた機嫌が悪くなる。

「・・む、っ」

苛々しながら、親指をブチャラティの口に入れて無理矢理歯を開かせた。
ブチャラティはぎろ、と俺を睨んだが、何故か親指は噛んでこなかった。

「・・・っ、ん・・・う」

粘着質な水音と一緒に、ブチャラティの苦しげな声が漏れる。
眉間に何本も皺を刻んだ、悔しそうな顔は結構そそるものがあるけれど、俺はどこか冷めていた。

「服、脱げよ」

俺が口を離して高圧的にそう言うと、ブチャラティはハッと俺を嘲笑うように言った。

「脱がしてみろよ」

今日初めて見たブチャラティの笑みは、口の端を僅かに持ち上げただけのものだった。
目は相変わらず俺を睨んでいる。気に入らない。

「・・・っ、!?」

俺はブチャラティを担ぎあげて、ベッドまで戻る。どかどかと背中を叩かれたけど、本気じゃないらしくそこまで痛くない。
どさ、と乱暴にブチャラティをベッドに落とし、その上に覆いかぶさった。
襟首と胸元を掴み、無理矢理服を剥ごうとすると、自分が「脱がしてみろよ」なんて言ったくせに、ブチャラティが抵抗し出した。
そのブチャラティの抵抗も気に入らなくて、しばらくもみ合っているとぶちぶち、と音がした。

「・・・あ」

「・・・」

見ると、肩のジッパーが壊れていて、ブチャラティは俺を睨んだ。
壊れたジッパーからはブチャラティの白い左腕が覗いていて、そこには俺が前につけた痕がうっすらと残っていた。

「・・・」

「・・・いっ!?」

どうしてか俺はその痕にすら苛立ちを感じて、その上から強く吸い上げた。
ちょっときつすぎたらしく、ブチャラティが痛みに声を漏らした。

「・・・ギャングが、そんなんで痛がってどうすんだ、ブチャラティ?」

俺はにや、と笑い、先ほどブチャラティが言った言葉を嫌みたらしく言い返す。
ブチャラティは少し涙の浮かんだ目で、忌々しそうに俺を睨んだ。
そんな顔が少しかわいく思えて、キスをしようと顔を近づけたら、またばっと避けられた。
かわいくない。つい数秒前の自分の考えを打ち消すようにそう思うと、俺はブチャラティの首筋にがり、と噛みついた。

「・・・・・っ」

ブチャラティが、声をもらすまいと痛みに堪える。
ぎゅう、と目を固く瞑る様子を見ていると、少しだけ気分が良くなった。
一度口を離し、少し違う角度でもう一度噛みつくと、

「・・っ」

ブチャラティが息を詰め、俺の髪をわし掴んで睨んできた。
俺はふ、と嫌味に笑うと、ブチャラティの手が服から離れていることに気付き、残りの衣服を乱暴に全部剥いだ。
ブチャラティが少し驚いたような顔をしているのが小気味いい。
首筋をべろ、と舐めると

「・・ひ、」

と悲鳴と嬌声の境のような声があがった。
舌をブチャラティの首から離さないまま移動させ、先程と反対側に噛みついた。
ギリギリ血が出ないくらいの強さで噛みつく。
ブチャラティが痛みに耐えるため無意識なのか意図的なのかはわからないが、俺の髪を引っ張る。
離れると、ブチャラティの首の右と左に、鬱血して真っ赤な歯型が一つずつついていた。
俺はそれに、少し満足感を覚えた。

「・・・痛い?」

痛いに決まっているのに、俺が意地悪くそう聞くと、ブチャラティはぎい、と俺を睨んだ。
けど、すぐに視線をそらして、

「・・・別に」

と言い放った。
強がっているのが見え見えで、俺は喉でくく、と笑った。
今度はブチャラティの肩に噛みつく。
角度を変えて、位置を変えて、ブチャラティがう、とかく、とか声を漏らす度に笑って、俺は何度も噛みついた。
気がつくと、ブチャラティの肩と首筋は俺の歯型だらけになっていた。
もう噛みつけるところがないな、なんて思って視線を下にやると、胸の飾りが目に入る。
俺はそこに舌を這わせた。

「・・っ!・・は、・・ふ・・っ」

ブチャラティがびく、と震えて、耐えるように下唇を噛んだ。

「・・こんなに噛まれて、まだ足りねーの?」

なんて、自嘲的に笑った俺を、ブチャラティは目尻に涙を溜めながら睨んだ。
俺がそこを強く吸うと、「う、ぁ・・っ」とブチャラティから声があがり、唇は更に強く噛まれる。
俺もそこをがり、と強めに噛んだ。

「いっ!?・・・」

余程痛かったらしく、目尻からぼろ、と涙が零れる。
赤く鬱血したそこを見て、それも当たり前か、と俺は妙に納得した。
視線を感じて顔をあげると、じとっと俺を睨んでいるブチャラティと目が合った。
目が合った瞬間、ブチャラティは俺の肩に勢いよく噛みついた。

「・・・っ、て・・」

遠慮なんて欠片もない強さで噛みつかれて、つ、と液体の流れる感覚と僅かに鉄分の匂いがした。

「・・・おいっ、ブチャラティ・・」

「・・血が出たな」

噛みついたまま口を離さずに、ブチャラティはそう言った。
その血を吸うように、ブチャラティはがりがりとそこを噛み続ける。
それにいらっとして、俺は目の前の傷だらけの肩に、また噛みついた。

「・・・っ」

痛かったらしく、ブチャラティが口を離し、今度は首筋に噛みつく。
そうやってしばらく噛みついて、俺の肩や首筋にもブチャラティの真っ赤な歯型が咲いたところで、俺はベッドの脇にある棚に手を伸ばした。
そこからローションを取り出し、とりあえず、というように適当に慣らす。

「・・・、ん・・・は、う・・・・っ」

乱暴に動く俺の指に、ブチャラティは痛みか快感かは分からないけれど上がりそうになる声を必死に耐えていた。
声を抑えるブチャラティは初めて見たけれど、俺はなんだか、物足りなさを感じた。
申し訳程度に慣らし、すぐに指を引き抜くと、自身を押し当て無理矢理入れた。

「いっ・・・あ、痛・・・・・・ッ、は、・・・あ」

今度は明らかに、ブチャラティは痛みに声を上げ苦痛に顔を歪める。
俺はそれに構わず、無理矢理押しこめる。
俺が動くたびに、ブチャラティから苦しそうな声が聞こえたが、あまり気にならなかった。
最後まで入れ終えると、ブチャラティと目が合った。
その目は相変わらず俺を睨んでいるし、目の横には幾筋もの涙の零れたあとがあった。
俺はそれをぺろ、と舐めて、ゆっくりと動き出した。

「・・う、・・あっ・・・ふ」

ブチャラティが、苦しそうに喘ぐ。
俺の背中に手を回し、俺の肩にまた噛みついた。
俺は痛みに少し顔を顰めたが、そのまま動き続けた。

「・・ふ、ぐっ・・・んっ」

ブチャラティからくぐもった声が漏れる。
俺が動くたびに、噛む力も強くなる。

「ん、・・・んん、あ・・」

「・・・は、・・・っ、ブチャラティ・・」

「んあっ・・・・ッ」

俺が突然乱暴に突くと、ブチャラティはびくっと体を揺らした。
位置的に顔が見えないが、恐らく忌々しそうに睨んでいるんだろう。
ブチャラティのそんな表情を想像してくっと笑うと、

「・・・っ!」

ブチャラティが突然、力を込めた。
せり上がる射精感に堪えていると、ブチャラティの唇が動いて、ふ、と笑うのがわかった。
このやろう、と思って、唐突に動きを速める。
それからしばらくして、ほとんど二人同時に果てた。





















荒い息を落ち着かせながら、俺はやっと冷静になった頭で、ブチャラティの姿を見た。
ブチャラティの首筋と肩は俺の歯型で真っ赤になっていて、胸元にも痕がいくつもついている。
頭に上っていた血が一気に下がってきて、俺は少し蒼褪めた。
何してんだ、と、そう思った。

「・・・・・・ごめん」

余程余裕がなくなっていたらしく、暫くぶりにまともな言葉を発した喉は、がらがらと枯れていた。

「・・・なんで謝ってんの」

じとっと俺を見ながら言ったブチャラティの声は、俺より更にがらがらに枯れていて。
急に申し訳なさが、波みたいに押し寄せてきた。

「いや・・こんながりがり、噛んで・・」

妙に言いづらくて、視線を彷徨わせながらぼそぼそとそう零すと、ブチャラティが視線を下げ、俯いた。

「・・・俺も」

「え?」

「噛んで、わるい」

そう言ってブチャラティは、血の滲んでいる俺の唇の端を舐めた。
そして二人でふ、と笑って、
(あ、笑った)
やっと見ることのできた、ブチャラティの楽しげな笑顔に、俺は妙に満たされる感覚を覚えた。
そしてブチャラティは、そのままくつくつと笑う。

「・・それにしても、よくもまぁ、あんな痛いばっかでイけたよな、俺」

なんてことを、恥ずかしげもなく言うもんだから、俺の方が妙に照れた。
それを誤魔化したくて、

「・・・マゾの気でも、あんじゃねーの?」

なんて言ったら、ブチャラティは更にははっと笑った。

「そうかもしれないな。・・・今度、SMごっこでもやるか?」

にやりと笑ったブチャラティに、俺は首をぶんぶんと振った。
ブチャラティの首筋が、目に入る。

「じょうだんっ」

あんたに傷つけるのは、できたらもうしたくないね。
と、俺が言ったら、
そうだな。
と、ブチャラティがふふ、と笑った。



















++++
補足
ブチャラティがミスタの親指を噛まなかったのにはわけがあります。(自分勝手設定)
ミスタは拳銃使いじゃないですか。
指とか手とかは、その拳銃を使うために必要で、要はミスタの命を守るものなわけですよ。
だから、ブチャラティはミスタの手は傷つけないようにしてる、みたいな・・すみません。
あ、ついでにブチャラティはミスタの手が好きです←
補足がある小説ってどうなんですかね・・・



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