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しろの小説(短編)
【土銀】11月11日

「今日はポッチーの日なんだってよ〜」

「あぁ、だからか」

仕事を早く終えた土方の元へかかってきたのは恋人からの『うち来るんだったらついでにポッチー買ってきて』という簡潔な内容の電話だった。

「だってせっかくの甘味の記念日に食わねぇと失礼じゃん。もったいないだろ」

「お前の場合は関係ねぇだろ。普段でもパフェだのケーキだのあんみつだの食わせろってうるせぇのによ。大体めずらしく電話かけてきたと思ったら用件だけ言って切るか普通」

「しょうがねぇだろ、携帯にかけると高くつくんだよ。そーゆー細けぇこと言ってると出世出来ねぇよ?」

「俺にそれ言うか?」

「あ、そういやオメー、真選組の副長サマだったっけ」

「甘いモン食い過ぎで脳みそ砂糖漬けにでもなってんじゃねぇのか」

「うっせー、俺と糖分を侮辱すんじゃねぇよ」

「あー、わかったわかった。わかったからソレとっとと食え」

「んぁ?なんで?あ、もしかして俺がずっとポッチー食ってるから羨ましくなったとか?食うならやらねぇこともねぇけど?」

「いや、いい」

「ふーん」

「だが…そうだな」

土方は銀時が口にしてるポッチーの反対側をくわえ、パキンと真ん中で折った。

「こういうのは悪くねェかもな」

「なっ」

「もう一口…」

「ちょっ…んん…」

後ずさろうとした銀時の手を掴んで阻止すると真ん中で折ったポッチーをさらにかじり、唇、口内へと侵入し銀時とチョコを堪能する。

「ん、んむ………ぷはっ、はぁ…」

「もっと食うか?」

「ぅ…、ばっか、だからテメーはスケベオヤジかって言われんだよ」

「あいにくそういうこと言うのはテメーだけだから心配すんな」

「だっ…誰が心配なんてするか自惚れんなニコチンマヨラ」

「で、どうすんだ?」

「………」

「銀時」

「…つの…ンが…くなった」

「はっきり言わねェと聞こえねーよ」

「別にモンが欲しくなったって言ったんだバカヤロー!せ、責任取らねーとぶん殴るからな!!」

「ほォ、そりゃあ大変だ」

土方は口の端を上げ笑いながらそう言うと甘い恋人をゆっくりと押し倒した。


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