しろの小説(短編)
【土銀】standby screen
「ゔ〜ん」
「どうした?」
「どうしたもこうしたもねーよ。やっぱり俺、こーゆーの持つの性に合わねーわ」
「…あぁ、携帯か」
「だいたい、俺が携帯持つ必要なくね?」
「テメーが持たねーと連絡取りてぇ時にすぐ連絡取れねぇんだよ。万事屋でゴロゴロしてるかと思ったら ぷらっぷらして居ねぇか、厄介事に首突っ込んで怪我してるしよ」
「別に好きで厄介事に巻き込まれてるワケじゃねーよ」
「でもほっとけねーんだろ。ぶつくさ言いながらもよ」
「…お、俺の事はいーんだよ俺の事はどーでも。そう、携帯。携帯の話だろ。何が一番アレかってーと設定が一番めんどくせー。何コレ、こんなのが携帯にいんの?って機能まで付いてるし、いったいどこに向かおうとしてんの?もはや携帯じゃねーよ。スーパーコンピューターにでもなる気か?」
「いや、スーパーコンピューターはまた用途が違うと思うが」
「んなのわーってるよ。それぐらいの勢いって意味だバカ」
「バカとはなんだ、バカって言った方がバカだバカ」
「テメーも言ってんじゃねーかバカ」
「貸せ。設定くらい俺がやってやる」
「あ、ちょっ」
「めんどくせぇつっても俺との連絡専用みたいなモンだろうが。着うたとかなんでもいいんだろ」
「プキュはやめろよ?いくら今のヒロインの声が奈○様だろうがそれは譲れねェ」
「設定しねぇよ!!」
「どーだか」
「ちっ、…待受は」
「待受なんてそれこそいじらなくてよくね?よっぽど悪趣味じゃなけりゃよォ」
「……なら」
カシャッ
「コレでいいだろ。ホラよ」
「コレでいいだろ…って、何コレ。なんでお前の写メが待受になってんの?おま、よく恥ずかしげもなくそんなこと出来るな。恥知らずか、A型は恥知らずなのか!!」
「うるせぇ、文句あんなら後で自分で変えろ。そんなに言うなら…」
カシャッ
「俺もテメーの写メを待受にしてやるよ」
「痛い痛い痛い痛い、痛いよお母さーん、ココに頭ケガした人いるよー。『どや』的なこと言ってるけど、テメーがやりたいだけじゃねーか!!」
「まぁ落ち着け」
「なんかすっげームカつくんですけど。殴っていい?安心しろ、痛みは一瞬だ……って、顔ちか…んん…っ、はっ…ぁ…」
カシャッ
「な…っ?」
「保存用に…な。待受にするのはもったいねーからな、こんなエッロい顔。独り占めしたくてたまんねぇ。…もっと見せろよ」
「んぁっ……勝手なこと…ぬかしてんじゃねェ。あとでぜってーぶん殴ってやる」
「なら、それが出来ねぇぐれぇ快くしてやるよ」
「出来るモンならやってみやがれバーカ」
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