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しろの小説(短編)
【高銀】夢現【攘夷時代】

障子越しに射し込む光が夜明けを告げ、高杉の目を覚まさせる。

「…もう朝か」

起き上がろうとすると何かが引っ掛かった。隣を見るとすいよすいよと寝息を立てている人物が自分の服の端を掴んでいた。

「オイ、起きろ」

「ん〜…」

声を掛けるともぞりと布団の中で動いたその人が目を覚ます。

「ぁ…、晋助おはよー」

寝惚けているのだろうか。普段は見せないような柔らかな笑顔と甘えるような声に高杉は一つ息を吐く。

「朝だぞ。そろそろ起きろ。銀時」

そして着物から手を離せと言おうとした瞬間、引き寄せられ抱き付かれた。

「やだ…もう少しこのまま…」

離してくれそうもない腕を無理矢理外すことも出来ず、仕方ないなと諦めて銀時の頭をふわりと撫でると赤い瞳がこちらを見てくる。

「晋助…」

「なんだ?」

「ちゅーして?」

上目遣いで見つめてくる赤に高杉は魅入られていた。

「ん……ぁ、んんぅ…ふぁ……」

しっとりとした口付けに銀時がうっとりとしていると高杉が首筋へと唇を落とす。

「んっ…、くすぐったい…」

身を捩りながらも煽ってくる白に気を良くした高杉は口元に笑みを浮かべると、銀時を組み敷いた。

「まぁ、まだ時間もあるしな…。目ェ覚まさせてやるよ」

「ぁっ……」




「……人が寝惚けてんのをいいことに好き勝手しやがって…。どーすんだよコレ。腰痛くて立てないんですけど」

着物を着る代わりに布団に包まりながら銀時は高杉を睨み付けた。一方、高杉はというとそんな銀時を見て、ククッ、と笑う。

「お前の方からねだってきたんじゃねェか。なんなら思い出させてやろうか?」

「ぁ…。……忘れてねェから厄介なんじゃねーか…」

鎖骨を指でツツ…と撫でられ思わず声を上げてしまった銀時は顔を赤らめ、ぷいと視線を外すとぼそりと呟いた。


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