しろの小説(短編)
【高銀】似たもの同士【攘夷時代】
「あ、高杉」
「よォ、銀時か」
「お前、馬乗れんのな」
「あぁ。……? どうした?」
「いや、オメーに黒い馬ってのがやけに似合ってんな〜って思ってよ」
「自分じゃよくわからねェが素直に褒め言葉として受け取っておくぜ。銀時ィ、テメーも馬ぐれぇ乗れんだろ?」
「あー…、さぁな。乗ったことねェし」
「ためしに乗ってみるか?…つっても、アイツしかいねェか…」
「アイツ?」
「ソコにいる白い馬なんだが…かなり性格がひねくれててな、誰にも懐こうとしねェんだ」
「ふーん…」
「乗るんだったら俺の馬にするか?銀……」
「お前、誰にも懐かねェってホントかよ?」
「ブルルル」
「しかも『ひねくれ者』ってまるで高杉みてーなヤツだな」
「(…いや、むしろテメーだろ。銀時)」
「……ヒン」
「…え?何?乗せてくれんの?」
「ヒヒン」
「よっ…と…。おっ、乗れたぜ高杉っ!コイツ全然素直じゃねーか」
「ひねくれ者同士、気が合ったんだろ?」
「なんだよ。……せっかく馬乗ってオメーと一緒に走れると思ったのによー」
「なんか言ったか?」
「いーや?べっつにー。このままコイツとちょっと走ってきてみてもいいか?」
「せいぜい振り落とされねぇようにな」
「ご心配どーも。じゃあ行くぜッ!」
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