しろの小説(短編)
【銀+桂】心の重さ【高銀前提】
「……始まりはみんな同じだった。なのに随分と遠くへ離れてしまったものだな」
「…………」
「銀時…、お前も覚えているか?コイツを」
「……ああ、ラーメンこぼして捨てた」
「銀時」
「あァ?」
「そういうところは相変わらずだな。いつからの付き合いだと思っている。お前の嘘が見抜けぬような浅い付き合いではないぞ」
「………さぁな…」
「高杉とは…あんな別れ方をして本当によかったのか?」
「……ヅラ」
「ヅラじゃない桂だ」
「あの言葉、覚えてっか?オメーらと出会った頃、あの人が言ってた……」
「あぁ、松陽先生が俺達に最初に送った言葉のことか」
「みんな自分の我ァ通そうとしてるだけだ。お前もアイツも。俺も俺の我を通さなきゃならねェ。それを阻むモンがたとえ何だろうと誰だろうとコレだけは曲げられねェ。……曲げちゃいけねェんだ」
「銀時…」
「…どうあがいたって死んだ人間がしゃべるワケでもましてや生き返るワケでもねェ。だが…、だからこそ俺達は生きてソイツの意志も魂の重さも背負っていかなきゃならねぇんだよ」
「疲れた時は立ち止まればいい。荷が持ちきれぬ時は俺も一緒に背負おう。だからあまり無理をするなよ。銀時」
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