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Ribboned   (銀桂)


金縛りか‥‥?

目覚めると体が動かない。辺りは明るい。スタンド的ななにか‥‥ではない!はずだ。いやいやいやいや銀さん絶対そんなもん信じないもんね!!

「起きたアルか〜」

神楽の能天気な声に一瞬ほっとするものの依然として体は動かない。

「あの‥‥神楽ちゃん?銀さんからだ動かないんだけど」

「あぁ、それは仕様ネ」

はい‥‥?

銀時はかろうじて頭を起こし自身の体を見た。
それは全身ピンクのリボンで覆われ、足首から首元までぐるぐると巻きつけられ真ん中あたり、ちょうど肘くらいの位置でご丁寧に蝶結びにしてある。

「なにコレ!!」

「銀ちゃんおとなしくするアル」

「かっかぐらちゅわ〜ん!銀さん何かしたァァ?このまま海にでも投げ込むつもりィ!?」

じたばたと芋虫のような姿でもがく

「銀ちゃん往生際が悪いネ」

神楽がにかっと歯を見せ笑うと玄関の呼び出しベルがなった。

「開いてるから入るアルよ〜」

「お邪魔します。リーダー」

礼儀正しく声をかけ入ってきたそいつはいつものごとく手土産の紙袋を下げ現れた。

「どうした銀時。こうそくぷれいか?」

「ちげーよ!!」

例によってれいのごとく大真面目にボケをかます桂に言い返すと、今度は少し調子を変えて甘え掛かるように懇願する。

「おまえいいところにきたよ、ヅラァ〜ちょっとこれほどいてくんない?」

「む、しかしリーダーが遊んでいたのではないのか?それにヅラじゃないかつ」

「おめーは銀さんより神楽の言うこと聞くんですか!?」

その間にも神楽は桂の手土産をすでに胃に収納しようとしている。

「ちょ‥‥銀さんの分の菓子ィィっ!!」

縛られたままの銀時はなすすべもなくその光景を見ていた

「銀ちゃんは自分で用意してくればいいアル。さてとネ」

平らげた菓子の食べかすをぬぐい、神楽は立ち上がってぐるぐるピンクリボンの物体、もとい銀時を両腕で頭上に持ち上げた。

「なっ投げないで神楽ちゅわ〜んっっ!!」

「ひとのことなんだと思ってるアルか。ヅラ、誕生日プレゼントアル。」

桂ははっと気付いた表情を見せすぐにふわりと微笑みを浮かべた

「ありがとうリーダー。欲しかったのだこれ」

桂は両手で銀時を受け取るとはにかんだように頬を染めた。


「じゃあ私は遊びに行ってくるネ!ちゃんと祝えよ銀ちゃん」

神楽が出ていってしまうと桂に抱き上げられたまま気まずそうにしていた銀時はモゾモゾしながらようやく口を開いた。

「あ〜おめっとさん‥‥」

「ありがとう銀時。して、おまえからは何もないのか?」

「自分の誕生日忘れてたって顔してるやつにそんなこと言われたくねェェっ!!」

「だがリーダーは覚えていてくれたみたいだぞ」

「あん?ふざけんなよ。銀さんを物みたく勝手にプレゼントにしやがってあのくそガキ!だいったいよぉ金一賎も掛かってないだろうが!!あ、リボンは買ったのか?‥‥‥って、そーゆー問題じゃねェェ!!」

「解った解った。でも覚えていてくれたというそれだけで嬉しいものだな」

嬉しそうにほほ笑む桂にますます身の置きどころがないように顔を背ける

「‥‥‥覚えてたよコノヤロー‥‥‥」

桂の顔を見ずに呟く

「‥‥かぶった」

「ん?」

「‥‥神楽と被ったんだよ!プレゼント。だからねーよ」

「‥‥‥銀時、『私がプレゼント』は金のない者の常套手段だぞ」

「うるせー!!いらねーのか!?なら返品してもらうぞコルァ!!」

「いかん!これはリーダーから貰ったものだ」

ぎゃいぎゃいとひとしきり言い合うと桂は銀時を畳におろした。

「とにかく今日は存分にモフモフさせてもらうぞ銀時」

正座した膝に銀時の頭をのせ、桂は銀色の髪に手を落とした。
髪に触れる手の心地良さに思わず押し黙る

モフモフモフモフ

あーいつまでやってんだコイツ‥‥‥いい加減に

「‥‥‥あのさヅラくん、このリボンそろそろほどいてくれませんかねぇ?」

「だめだ。貴様なにかいやらしいことをするつもりだろう」

「いまさらなに言っちゃってんの?お願いヅラァほどいてくれたらイイコトしてあげるから!」

「それはいかん銀時、第一作目があーる18なのはいかがなものかと管理人から自主規制がかかっておる。」

「わけわかんねぇよ!なにその大人の事情ォ!!」

「しかたないではないか、今日ぐらいはおとなしく俺にモフられてくれ銀時」

桂は銀時の髪に顔を埋めうっとりと瞳を閉じた。

モフモフ続行!?
これ地味にムラムラくるんですけどォォォ!!

「っ‥‥‥ヅラァァァ!!リボンをほどけェェェ!!」

初夏の風がそよぐ午前に銀時の叫びが響いた。




〜fin〜





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