攘夷派で伍の御題
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『――ただいま』


懐かしい面影が、外から差し込む光の中小屋の戸口をくぐって来た。


おかえりなさい…!


考えるよりも早く身体が反応してその面影の元へ駆け寄った。


『長い間ごめんな』


見上げるその人は
懐かしいはにかんだ顔で、
懐かしい声で笑い、
懐かしい大きな腕が抱き締めてくれる。



――帰ってきたんだ…


本当は、どこかで生きてていつか必ず帰ってきて欲しかった。

武士の魂を全うして満足のいく生き方をしてくれたならそれでいい、だなんて、本当はただの強がりに過ぎなかった。

本当はとてつもない不安と寂しさで押し潰されそうな日々を過ごしていた。

時間は無情にもただ過ぎていくだけで、一人で全く同じ日常を繰り返していく中、希望も願いもだんだんと弱まってしまっていた。



だが、突然フラりと訪れた銀髪の侍が、私が忘れかけていたとてつもなく大切なことを思い起こさせてくれた。


帰ってくると信じててやれよ

お前さんが信用してやらなくて、誰がお兄さんの帰りを信じるんだよ


自分を信じて待ってくれてる者がいない人間が、一番不幸だと思うぜ、俺ァ





信じたらきっと、
いや、人を信じ想い続けてあげることが大切だという人間が持つ優しい情を。


信じ続けたら、彼は私の肩に手を置いてくれた。

もう一度私一人の寂しい空間を温めてくれた。


信じたら彼は、私を護ってくれた。


信じる者がいてくれる人間は強い、ということを証明してくれた…





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あきゅろす。
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