色は匂へど散りぬるを



待機していた信号が変わり二人は歩き始めた。広い横断歩道を多くの人が行き交う。
ふとごんみ(名)がコロリと声の調子を変えて言った。


「総悟、全然あたしのこと知りたがらないのね」


すると沖田が白い歯をニヤッと見せて、


「何でィ、掘り下げて欲しいんなら早く言いなせィ。いつ暴いてやろうかこっちはウズウズしてたんでィ」

「ちょっ…言っとくけど全部は話すつもりはないからね、」


それまでの爽やかな表情とは一変、中の黒そうな沖田にごんみ(名)はぞぞっと冷や汗を感じた。


「まるで後ろめてぇ事でもあるよーな言い草だねェ?」

「…何も後ろめたいことなんか。ただ、言いたくないことがあるってだけよ。誰にでもあるでしょー」

「じゃァ聞くのは野暮ってもんだろィ?」

「…え?…あれれ」

…びっくりした、警察だからいろいろ根掘り葉掘り聞かれるのかと思ってた。


「どーしたごんみ(名)、」

「総悟ってさ、…スゴくS」

「まぁそんな所でさァ」

「でもスゴく優しいS」


ごんみ(名)はそんな沖田に心底安堵するのだった。


…と、その時、


「待ァ〜つ〜アァ〜ルゥ〜!!!」



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あきゅろす。
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