もしもペリーじゃなかったら





「…オイオイ何だありゃ?物騒な集団がゾロゾロと」

「険悪なムードですね。…沖田さん何か事件ですか?」

「、ああ旦那ァ」

「何かあったんですか」

「いや、ちょいとね」

「ちょいとなことでこんなになりますか?」


旦那の目がちらりと隊士の群がりを見やったところにもう一人黒服が近寄ってきた。


「バカ皇子のペット探しだ何か文句あっか」

「土方さん」

「いちいち構うな万事屋。先を急いでんだ」

「おっと、そりゃちょうどいい。俺らもテネシーには参ってんだ。数もいるしそちらのプロのお宅らにお任せしますわ」

「ケイシーね、ケイシー。いい加減ホントに忘れそうです」

「え、なにマジでペットいねーのか?」

「土方さん、出任せはすぐにバレますぜ」

「総悟」

黙ってろ、と言いたげな睨みを投げられちゃァ仕方がねぇ。「へーい」と一歩下がった。


「てめーらもさっさと捜査に戻れ」

「へーい」


「…」

「おかしい」

「ほっとけほっとけ」

「同じ探し物なのは間違いないみたいですけど」

「…捜査って、皇子のペットは犯罪者かね」


「――銀ちゃん、新八ィ!!」

「あ、神楽ちゃん」

「やっぱりおいしいところでサボってたアルかァ!」

「あ?団子屋か、通り掛かっただけだ」

「神楽ちゃんケイシーいた?」

「そのケイシーと、」



一緒にごんこ(名)もいなくなってしまったネ!!





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…なんでィ。
今日俺せっかく休みだったってのによ。ドラマの一番いいとこで召集かけんなってんでィ…


「――沖田隊長ォーッ」

「!オウ、何か分かったかィ?」


先に臭いをたどっていた山崎が後方から息急き切らして走ってきたのを他の隊士たちも一斉に振り返った。


「ハァッ…ハ、ハイ!しばらく後を付けてみたんですが、今はあの丘の上にっ…」


山崎が肩で息をしながら自分の背後を指差した。俺らの周りは街の光で昼間のように明るかったが、夜の闇に包まれたその小高い丘は黒く淀んで気味悪く見えた。隊士たちが周りで息を飲むのが感じ取れた。


「どんな様子だったんでィ?」

「公園にいました。しばらくは動く様子もなく、喋っているだけです」


…どこまで余裕な奴なんでィ


「誰と?仲間か?」

「…仲間、なんでしょうか…後ろ姿は一見普通の町娘でした、すごく穏やかな感じで」

「町娘ェ?」


周りがざわついた。超危険人物が、町娘と…?

ふーん…


「そいつァとんだスクープじゃねーかィ」

「とりあえず、副長に知らせないと」

「山崎、お前感付かれちゃいねーんだよな?」

「はい、」

「じゃあいいや」

「…えっ?」


女といるときほど男に隙ができる瞬間はねェと思う。


「見てくれで人は判断できねーもんだぜィ?特に女なんか」

「沖田隊長…」


不安げな顔色を窺わせるのと動き出したくてムズムズしているのとその場の空気が綺麗に分かれた。

そんなことであったらもちろん。

電話をかけようとしていた山崎の電話をひょいと取り上げた。


「――あっ!?ちょ、沖田隊長?!」


面白そうじゃねーかィ





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あきゅろす。
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