もしもペリーじゃなかったら


次に銀さんが口にした問いかけのおかげで、考えていた不安がふっ飛んでいった。いつもと変わらないだるそうな双眸が向けられている。


「へってお前、今日面接だったんじゃねーのか?」

「…あ、うん。すぐに採用決まったし、早速制服も着てお茶出しとか簡単な仕事はやらせてもらったんですが〜…早々とやらかしちまいましてネっ」

「なに〜?もしかしてお前アレ、まさか何も無いとこでコケてんじゃないよ〜まったく」

「いや、コケてないから、ぶつかったんだって土方さんに」

「あ?大串君ん〜?いいご身分ですねぇそんな高価なランチで」


銀さんが眉根を寄せて税金泥棒め、と吐いた。


「違うよ、何かお客さんの中に密貿易者がいるとかで捕まえに来てたみたいよ」


ふ〜ん、と返して銀さんはまた背をもたれた。


「……///」


あたしが言葉に詰まってるのを察して話を変えてくれたのかな。何だかそれだけにすごく救われたような気がした。

でもやっぱり、ココに住ませてもらう身で隠し事ばかりじゃ良くないでしょ…みんな温かくしてくれるのに…


「あのさァ、プライバシーな部分まで聞き出そうなんて野暮なことはしないから」


、え?


「ごんこ(名)が言い出せるようになるまで待ってるつもりだから」


――本当に、心読めてんじゃないの?あたしが欲しい言葉をストレートに言ってくれる。

すごいなぁ、坂田銀時。


「――ありがとうっ」






[←前へ][次へ→]

8/9ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!