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月曜日 放課後




何故だかいつも登下校を共にしている伊東くんが、モテモテ少女鈴木さんに呼び出されてしまったため、今日は一人で下校だ。

呼び出されてなにしてんだろ。
リンチかな。
伊東くんリンチなのかな。
いつも私に拳を飛ばしてくる伊東くんが、逆にボコボコにされてるとか

「ちょっと面白い」

くふっ、と含み笑いしていたら目の前が急に暗くなった。
と同時に前方からの衝撃。
ぶつかった、と思うよりも早く激しい痛みが高くないはずの鼻を襲う。
けして低いんじゃない。
つつましやかな鼻なのだ。

「――ッ!!!」
「すいませんっ!」

僕、前ちゃんと見てなくって…!と焦った声が耳に入った。
しかしそれどころではない、つつましやかな鼻が自己主張して痛みを訴えているのだ。
激痛。鼻血出てないだろうか…。

「―…いやぁ、そんなお気になさらず。大丈夫なんで」
「や、でも…」
「大事ないですから」

ホントに。

よかった鼻血出てないようだ、ちくしょ伊東くんのせいだ。
地球温暖化も、私の成績がどんどん右下がりになっているのも全部鬼畜な伊東くんのせいだ。

男友達伊東くんは、本人の知らぬところで残念な罵声を浴びせられるのだ。
私によって。

「プスー。残念な子…」
「?」

依然として俯いて鼻を気にしつつ、一人何事かを呟いている私を不思議に思ったのか、ぶつかった人が顔を覗き込んできた。

あれ、もしかして

「君は―――…」





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