瀬戸内のある日常(就親)
日頃が日頃なだけにあまり知られていないが、実は元就は悪戯が好きだ。それも子供っぽいものが特に。悪戯が成功した時などは、氷の面はどこへいったとばかりの満足げな笑みさえ見せる。
だから元親は、元就に呼ばれて遊びに行く時ほど周りを警戒する時はない。なぜなら、確実に何かしら仕込まれているからだ。
「元就ぃぃい…てめぇ、またやりやがったな!?」
「今日も良い引っ掛かり具合いであったな、姫よ」
ふふふと笑いながら、元就は満足げに元親を迎えた。やってきた元親は頭には葉っぱがつき、着物はずぶ濡れ、袖の端などは焦げていて正直ひどい状態だ。
「姫じゃねぇ!つうか、いい加減その悪戯癖を直せっ」
「無理だ」
「即答すんなっ!」
会話の間に、元親は元就の部屋に常備してある自身の着物を取り出し着替えている。一度、庭中に埋められた『発』で着物をボロボロに焦がされて以来、念のため置いておくようになったのだ。
「ふん、そう怒るでない。見苦しいぞ、元親」
「てめぇのせいだろうが、てめぇのっ」
「やれやれ、煩き事よ。それでも食べて少し静かにしておれ」
言って差し出したのは、先ほどまで元就自身も口にしていた大福。
「…わぁったよ」
元就自身も口にしていたし大丈夫だろうと、柔らかい大福をひとつ摘んだ。見た目には異常はない。多分。
「…っ!?〜〜っ!!」
「我が策に一寸の狂いなし!まんまと掛かりおったな、元親め」
悶絶しつつ、慌てて目の前に置かれていた緑茶を一気に流し込む。それでも足りずに元就の分の茶も奪い、再び一気飲み。
「甘ぇぇぇえっ!?何だこれはっ、胸焼けす…ぅおえっ」
「そなたが今食したは、通常の3倍の砂糖を使用した我特製の大福よ。甘党の我には何の害もないが、甘いものが得意ではないそなたには効果的であろう?」
「3倍!?なに気持ち悪いもん作らせてんだよ!つうか幾らかけてんだよ、こんな悪戯にっ」
注) この時代、砂糖は貴重品です。
「…国は傾けておらぬ」
「目を反らすなぁぁあっ!!」
2人は今日も仲良しです。
了
紅珠様リクの就親です。就親?むしろ就+親…(爆)2人とも阿呆の子みたいになった(爆)そして元就が大変な生き物に…すみませんorz
2人は仲良し!な話が書きたかっただけなんです…愛はあるんです!(汗)
返品苦情いつでも受け付けます!紅珠様、リク本当にありがとうございました!!
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