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特に意識をしていたわけではない。
「ほれ三橋。」
ミットを渡す俺。
「ちょい三橋。」
調子を尋ねる俺。
「待った三橋。」
どこかに行ってしまいそうなあいつを呼び止める俺。
「……阿部はさぁ。いったい三橋の、何なワケ?」
不可解、と、泉の顔は訴えかけてくる。
「はぁ?」
「いや、だからさ。何のつもりなのって。」
「阿部はすぐキレるやつだぞ!」
「……田島は、いいからさ」
練習が終わり、心地よい疲労感に包まれていた中、泉のやつが突然そんなことを言い出した。
三橋の何?
何だって?
んなこと、決まりきったことじゃねーか。
「キャッチャーだよ。」
大して考えたそぶりも見せずに、サクッと答える。
だってそうだろ。
それしかないだろ。
しかし、
「言いやがった。」
泉は呆れる。なんで?
「つーか。なにその質問」
「素朴な疑問だよ」
「ギモン?何が?」
「……三橋に対する、阿部の接し方についての疑問!」
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