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もともとそのつもりでしたから。


ベルはルッスーリアに隣の部屋で治療を受けている。その間に話を聞くことにした。

ベルの相手をしたのはスクセンパイ(センパイ呼びを強制されたわけではないが、こう呼んでみることにした)らしい。戦っているうちにベルに剣が掠り、キレられた後が大変だったとか。予想の範囲内ではあったが、語っているスクセンパイの顔色を見るとかなり凄いものだったようだ。それを見て殺すのを止め、XANXUS・・・・・・ボスの元へ連れて行ったと語る。


「本当はテメェも殺すはずだったんだけどよぉ、多分持ってきたレシーバー見て考え変えたんだろうなぁ」

「なら持ってきて正解だったんだね」


何はともあれ、ボスに一応は・・・まあ、仮としては認められたみたいだ。


「君はこれで良かったのかい?」

「・・・・・・どういう意味?」

「君は誰にも負けていない。それに、君の腕なら此処を抜け出す事だって可能だったはず」

「・・・見てたんだ。でも、私が此処に入るメリットはあっても、抜け出すメリットは無い」

「?」


此処でならやることやれば彼は生きていれる。生きる場所も、そのために必要なモノもくれる。それに、もともとそのつもりで来たんだし。


「フェルっ!!」


バンッと勢いよくドアが開く。声に振り向けば、包帯だらけのベル。目を覚ましたのか。


「あーよかった、死んでねー。目的達成?」

「一応は、ね。大丈夫なの?」

「ん。へーき」




もともとそのつもりでしたから。



全てはベルを生かすために。





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