オレと彼女。 〜ベルフェゴールの場合〜
いつだっただろうか
彼女が、片割れが『異質』だと気づいたのは
オレと彼女。 〜ベルフェゴールの場合〜
初めは少し疑問に思う程度だった。共に、ずっと誰よりも、この世に生きる誰より傍にいたから感じた違和感。片割れとして生まれてきた自分だからこそ一番最初に気づいた違和感。
彼女はあまりにも大人びていた。そういう性格だからと言われればそれまでなのだろうけれど。でも大人ぶっているわけでなく、飾っているわけでも被っているわけでもなく、唯それが当たり前だというように大人びていた。
まるでそれが自分のあるべき姿であるかのように。
まるでこの姿が本当ではないかのように。
まるで絶望したような死んだような目をして。
彼女は、生きていたのだ。
何故、と一度だけ聞いたことがある。
何故、死んだのかと。
何故、どういった理由で死んだのかと。
病気だったのか、はたまた事故だったのか、殺されたのか、寿命がきたのか。
彼女が一体いくつで前世を終えたのかを知らなかったから。
ちょっとした、好奇心 の、つもりだった。
「殺されたんだよ、
片割れに」
そのとき、何故彼女が他とは違う愛情と憎悪が入り混じった目で俺を見るのかを知ったのだ。
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