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夜月黒猫様 55万キリ番
55万Hit

草吹様のリクエスト

雲雀×骸

*純愛(?)/無理矢理

可愛い骸を目指したつもりですが…うん。←開き直り







「綺麗な花火ですね」

夜空に花開く色とりどりの模様。

手に温もりを感じて視線を落とせば、しっかりと繋がれたあなたの指。

「どう、ここでヤっちゃう?」

人気がないとはいえ、いつ来るかも解りません。しかし星空の下でなんて魅力的でもあります。

「先程したばかりだと思うのは僕の気のせいですか?しかもアオカンですよ」

「だけど今絶対に、満更でもないって思ったよね?」

骸の前半の疑問は無視されてしまったようだ。

パーン…、と音がする。花火もラストに近付いてきたのだろう。

「おや、雲雀君にはいつも心を読まれてしまいますね」

「色々と便利だからね」

便利だから、という理由で心を読めるものではないことを知っているのかいないのか、雲雀はサラリと言った。

いつの間にか花火は終わっていた。

「もう少しここに居ようか」

背後から包まれるように抱きしめられる。

「クフフ…案外ロマンチストなんですね」

「うるさいよ」




【夜空に咲き誇るは、】




チリン…
チリリン…

蒸し暑さの中で吹く風が、透明な風鈴を鳴らす。

季節は夏の始まり。

骸は窓辺に座り、暑さに弱い雲雀は部屋のソファーに寝転んでいる。

「雲雀君」

汗でべたついた前髪をかき上げながら、死んだように横たわる雲雀の近くまで歩いた。

「そろそろですよ」

小さく肩が動いている彼に声をかけてみるが、返ってくるのは寝息のみ。

ふぅ、と息を吐き、穏やかとは言い難い彼の寝顔を見詰める。寝苦しさからか、眉間に皺が寄っている。

「悪戯しますよ?」

骸は雲雀の着ている紺色の浴衣に手を伸ばす。生地が着崩れて僅かに見える素肌に、ゴクンと唾を飲み込んだ。

「…お仕置きするよ?」

眠たそうな、それでも口調は鋭い彼の声に、骸は慌てて手を引いた。

蚊取り線香の匂いが身に染みている。嫌いではない。

ゆっくりと起き上がる雲雀は人間すら寄せ付けないオーラを纏っている。

「起きていたんですか。じゃあ早く行きましょう」

手で目を擦る雲雀の服を掴み、部屋の外に行くように促す。出入口からではなく、開け放たれた窓へ。

「骨が折れたらどうしてくれるのさ」

「雲雀君は毎日ミルクを飲んでいるから平気でしょう?」

骸は独特の笑みを漏らし、ね?と首を傾けた。

「………」

黙る雲雀を再び引っ張り、目指す目的地へと足を運んだ。





人込みは嫌いだよ。

骸は馬鹿だからすぐに僕から離れて行くし、だからといって手を繋げばニヤニヤ笑うから、本当に困るよ。子供の世話は大変だね、全く。

目を離すとすぐに居なくなる。

雲雀は色とりどりの屋台をぼんやりと見詰めていた。

「うわっ…」

白い固まりが雲雀の視界を奪った。鼻先に突き付けられた白い物体からは、砂糖の甘ったるい匂いしかしない。

「美味しいですよ」

フワフワの正体は綿飴だったようだ。そんな砂糖の塊、食べたら気持ち悪くなりそうだよ。

そんな雲みたいなお菓子のどこが良いのか分からない。だけど、骸が美味しそうに綿飴を食べている姿を見ているのは楽しかった。


「ちょっと…」

綿飴を食べ終えたというのに、満足をしらないのか、骸は再び人込みに紛れてしまった。

手…繋いでおけば良かった。

僕は仕方なく骸を追った。白地に鮮やかな金魚が描かれた浴衣を探す。どうせ食べ物屋の前にでもいると思ったのだが、屋台が多すぎて分からない。

祭なんか嫌いだよ。

「あ、…れ?」

見付けた。変な頭をしている男が一人、道の隅に座り込んでいる。だけど様子がおかしい。

僕は骸に駆け寄った。足音に気付いたのか、彼は振り向いて弱々しく微笑んだ。顔が青白い。

「馬鹿じゃないの」

大丈夫?と言ってあげたかったのに、怒鳴ってしまった。

「…すみません」

気分が悪いなら早く言ってくれたら良いのに。

雲雀は骸の腕を自分の肩にかけ、身体を支えながら人込みから外れた場所まで移動した。


「気分はどう?」

相変わらずグッタリとしている骸の隣に座り、遠くから聞こえてくる太鼓や笛の音に耳を澄ます。

「もう大丈夫です」

嘘つかないでよ。

苦しそうな顔してるくせに、平気なフリしないでよ。頼られないのだって悔しいんだから。

「何か飲み物買ってくるよ」

僕は涼しい境内から、また明るい人込みへ向かおうとした。骸は体調が悪そうだったから、そこで動かないように待たせておいた。


結局何が飲みたいのかも分からなかったから、定番のラムネジュースを手にして境内に戻った。

薄暗いそこで目にした光景は…――

僕の怒りを最高潮に達させた。






雲雀君と祭に来れた事が嬉しすぎて、楽しくて一人で空回りしてしまいました。迷惑をかけてしまいました。

はしゃぎすぎて目眩がして、祭どころではなくなってしまった。折角の浴衣が、薄暗い境内では雲雀君に見せることができません。

だけど飲み物を買ってきてくれるだなんて、雲雀君にしては意外でした。

もしかして僕は自惚れしても良いのでしょうか?

「ねぇー、あんた一人?うっわ、結構可愛い顔してんじゃん」

静かな境内に響く、3人の笑い声。ゲラゲラと笑いながら自分を見詰めてくる男達の視線を浴びながら、熱い視線は雲雀君から欲しかった、と思っていた時だった。

「イイことしようぜ?」

不意に肩を押され、地面に身体を押さえ付けられた。一人には腹の上に乗られ、もう一人には頭の方から腕を拘束され、残りの一人は視界にいないが両足の間に気配を感じる。


「ちょっ、やめて下さ…ンぅっ…ッ」

どうにか逃れようとするが、目眩のする身体ではどうすることもできない。

腹に載っている男は骸の顎を掴み、噛み付くようなキスをした。己の欲だけの為に舌を動かす乱暴な口付け。


…気持ちがワルイです…――


骸の足の間にうずくまる男は、骸の浴衣から覗く白い太腿に手の平を滑らせ、下着まで突き当たると指を隙間から入れた。

自身を弄る男の太い指が気持ち悪くて、溢れそうになる涙を拳を握って耐えた。

自身を握り締められ、骸の身体がビクッと動く。

「ウヒャヒャ、感じてるみたいだよこの子」

腕を押さえている男が不気味に笑った。

ようやく離れていった唇。
男の酒臭さと、キスによる吐き気で、喉の奥から咳が込み上げた。


聞こえるのは男達の荒い息だけ。

雲雀君の声が聞きたい…

プックリと紅く染まった骸の唇から、好きな人の名前が零れた。


「ねぇ、何やってるのさ」

待っていた彼の声がすると同時に、身体の重みがなくなった。音からするに、木にぶつかったようだ。

「ゆっ、許し…グエェ…」

バキッ、と鈍い音が何度かした。

「許すわけないでしょ?」

雲雀は意識を飛ばした男達の残骸を見遣り、苛立たしげに吐き捨てた。


彼の足音がこちらに向かってくる。

立ち上がろうとした。だけど足が震えて、身体が言う事をきかない。

「ひば…り、君」

彼の名を呼んだ。

そっと抱き起こされて、強く抱きしめられた。僕はしゃくり上げながら、子供のように泣いてしまった。

「骸…骸、もう大丈夫だから。僕がここに居るから」

彼が優しく背中を撫でてくれる。胸が締め付けられた。

泣き止むまでどのくらい経ったのだろう。骸は顔を上げ、雲雀を恥ずかしそうに見詰めて笑った。

唇に温かい感触が落ち、すぐに消える。

一瞬、何をされたのか解らなかった。

「消毒したんだよ」

何故か照れながら呟く彼が、本当に愛おしかった。

首に腕を回し、キスをねだる。


「ふっ…ン、んっ…ぁ…ンァ」

先程の男達とは違う、優しい優しい口付け。また涙が出てしまい、舌で拭われた。

浴衣の帯が外され、胸の辺りに舌を這わされる。快感から身が震えた。

浴衣がゆっくりと脱がされていった。

「入れていい?」

普段は聞かないくせに、優しくしてくれるんですね。

「…きて下さい」

額に掛かった髪をかき上げられ、キスを落とされる。

目が合った。



「アッ…ひゃあっ、ん…ンア、っあ……アァ…」

激しく突かれ、それでも彼から愛を感じた。

この一時が、とても幸福。

今までだって何度も身体を重ねたことはあったが、こんなにも愛を感じたのは初めてだった。

「ア…雲雀…く…んっ……」

これがベットの上だったらもっと興奮したかもしれませんが。


星空の下というのも、
…案外悪くないですね。






「…くしゅん」

「寒いの?」

僕達はまだ境内に居た。

僕は、雲雀君に後ろから抱き込まれるようにして座っている。

「いえ、とても温かいです」

木々の隙間から夜空を見上げた。真横には彼の顔。


…パーン――


花が夜空に大きく咲いた。





END

      <2007*6*17>

.*禁断黒薔薇*.
作:夜月黒猫




この度は55万踏おめでとうございます!!そしてリクエストありがとうございましたm(__)m

ア○カン…やってしまいましたv笑


黒猫様!!無茶苦茶なリク有難うございました;;
ア○ンとか…///もぅ大好きvv←
本当に有難うございました!!

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あきゅろす。
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