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桜羅桃様 フリリク
『あかいシルシ』


《お久しぶりです…また強くなったようですね》



道を歩いていると突然囁かれた
澄んでいて高い声
聞いたことがないが何故か懐かしく胸に響いた

《……!?》

振り向くと其処には誰もいない

《…気のせい?》

雲雀は踵を返し歩き出した



その夜、雲雀は夢を見た
暗く光のない場所に

彼がいた


六道 骸


雲雀が唯一敗けを許した相手

骸は何をするでもなく雲雀を見つめていた

朱と蒼のオッドアイ
六の文字

引き込まれそうな感覚が雲雀を襲う

『雲雀くん…お久しぶりです…僕を覚えていますか?』

口を開いたのは骸

『忘れるはずないでしょ…僕を咬み殺した君を』

『クフフ…咬み殺した…ですか。それはそれは…』

骸はゆっくりと雲雀に歩みよる

『…今日は雲雀くんにお願いがあって来ました』

『……?僕に頼み事?何考えてるの?』

『クフフ…そぅですね…雲雀くんのことを考えてます』

雲雀は嫌そうに『…咬み殺すよ』と一言のこし背を向けた

『クフフ…残念ですが今の僕は幻影なので無理です』

『………。頼み事って?』

くるっと振り返り骸を切長の瞳で見つめる



『僕を抱いて下さい』


『!?』


思ってもいない骸の願いに動揺し言葉を失う

『…僕の体は今、この場所のような暗く光のない場所に囚われています…きっともぅ君に会うこともないでしょう…だからせめて…精神だけででも…抱いて欲しいのです…。…僕は雲雀くんが…』

最後の言葉を言いかけたと同時に骸は雲雀に手を引かれ胸に収まった

『…君は僕が咬み殺すんだから…会えないとか言わないで』

『雲雀くん…んんっっ////』

雲雀からの不意打ちのキス
ただ触れるだけの…

今まで自覚のない骸への愛しさは行動になって現れた
そしてまた、その行動によって雲雀は気付かされた

初めて抱く、《愛する》という感情を

『…抱いてあげる…でも、幻影じゃない君を…僕が咬み殺すから』

やっと気付いた感情に潮笑すると自分より少し背の高い骸を強く抱き締め再び唇を奪った

今度は深く…甘く溶けるようなキス

互いに唇を貪る

骸は瞳に涙を浮かべ差し出される舌に自らのも絡め味わう

『雲雀くっ…目を……目を開けて…僕に……見せて…』

雲雀がゆっくりと目を開くと濡れた朱と蒼の瞳が見えた

そのまま見つめ合いながら雲雀は骸のYシャツを取り去り首筋に紅い所有印をつける

白い肌に映える紅い痕

付ける度に骸が切なく鳴く

『……んっ…雲雀く……ぁっっ』

骸は雲雀の名を呼ぶと唇を首筋に這わせ雲雀に印をつける

『…雲雀くん……』

顔を上げ雲雀を見つめると気付いたように雲雀は胸の赤い実に舌を這わした
唇で吸い付き舌でもて遊ぶ

『んぁ……っっ…』

『…気持ちいいの?…じゃぁコッチもいいよね』

言うと同時に雲雀は自分のYシャツを脱ぎ、下着ごと骸のズボンを引き下げた

骸の高まった熱を唇に含み愛撫を始める


『…っ!!!!!はぁあ!!』

先ほどとは比べ物にならないくらいの声を上げ快楽に浸る

熱を口に含みつつ秘孔に指を這わせ、飲み込ませる

雲雀の長く細い指は蛇のように動き周り骸を狂わせる

『…っっ…ぁ…んぁっ…』

頬を染め声を抑える骸…雲雀は指を引き抜き自身を当てがった

『あぁっ…///』

当てられたものに恥ずかしさと期待で高い声が響いた

『欲しいんでしょ…?…ちゃんとお願いしてよ』

恥を捨て雲雀にすがった

『…雲雀くんを……僕の中に……下さい』


骸の快楽を求める表情に雲雀の理性は消えた

『いいよ。…僕の全てをあげる』

ズンっ……

勢いよく骸を貫いた

『っっ…!!!!』

骸は眉を歪ませ目を固く目を閉ざした

『どぅっ…?』

『凄く…いぃです…雲雀くんが…僕と1つに…』

涙を流し嬉しそうに微笑む
その笑顔に雲雀は律動を早めた
体がぶつかる卑猥な音だけが空間に響き、耳までも犯される

『雲雀く…僕も…っぁ…』

『イクの?…いいよ』

ズンっ!!!

『あぁぁ…!!!』

『っっ…///』

大きく突き上げた瞬間二人は果てた
それと同時に雲雀は口に出した

気付いた気持ちを


『…骸…好きだから…』




・・・・・・・・・・・



朝の陽射しで目が覚める
雲雀は体を起こし先ほどの夢の出来事を思い返す

『夢……だよね。…骸』


雲雀の首筋には紅い印が飾られていた



END
フリリク有難うございました^^

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