西野亜李様 相互記念
「眠い。」
こう,眠いときはアイツを思い出すんだ。
僕が初めて負けた相手。
そして恋したアイツを。
桜色の記憶
最初見たときは本当にこいつ何?って思った。
青いパイナッポー。それくらいにしか思ってなくて。
こんなふざけたヤツに負けるなんてこれっぽっちも思ってなかった。
凄く悔しくて。
またアイツが目の前に現れたら咬み殺してやるって。ずっと思ってて。
まぁその戦いの中で一度屈辱は晴らしたんだけど。
でもそんなアイツにだんだん惹かれ始めてる自分がいた。
それはアイツも一緒だった。僕たちは惹かれあってたんだ。
一緒に何処かへ行ったり。
キスもした。でも今彼は、イタリアにいる。
「会いたい,骸─…」
「呼びましたか??」
「─っ!?」
不意にアイツの声がして。
びっくりして振り向けば。
愛しい骸。大好きな骸が立ってた。
骸は別れたあの日と全く変わってなくて。
ただにこにこと笑っているだけだった。
「むく…ろ…。」
「お久しぶりです雲雀君。
─…会いたかったですよ。」
そう言って骸は僕を抱きしめてくれた。
この匂い。 骸の匂いだ。
安心する、確か初めて会ったときもこの匂いだった。
「寂しかった、ですか??」
「─…うん。」
「!!…クフフ,今日はやけに素直ですね。」
「五月蝿いよ馬鹿ナッポー。」
僕も相変わらず憎まれ口をたたきながら。
骸にぎゅうう、としがみつく。
消えてしまうんじゃないかって。
またすぐ何処かへ行ってしまうんじゃないかって心配で。
女々しい。自分でもそう思う。でも。
「ナッポーとは酷いですね。…おや?雲雀くん??」
「何も言うな、五月蝿い、死ね。」
それほどに、骸が好きなんだ。
僕の瞳からはぼろぼろと涙が零れ落ちる。
骸は僕を抱きしめる力をいっそう強くして。
「大丈夫、ですよ。
大好きです雲雀くん。」
「─…僕も…好きになった、みたいだよ。」
「クフ…可愛くないですね…可愛いですが。」
「意味不明だよ変態。」
そういいながら骸のほうを見たらイキナリ口付けられた。 深い 口付け。
お互いを確認しあうように。愛を確かめるかのように。
「もう貴方を置いてどこかへは行きませんよ。雲雀くん。」
桜色の記憶に残るあの人は。
そういって僕に今日、どこへも行かないと約束してくれた。
それは叶わぬ約束かも知れないけど。
でも僕は信じるんだ。
─…骸を…。
END
亜李様、有難うございまいした!!
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