[携帯モード] [URL送信]

ブルー・マンデー(藤原スズメ)完
U
 その日は学校があったけど、朝からサボることに決めていた。だけど、サボったらサボったで僕は暇で暇で仕様がなくて、それに家にいるのも気が進まなかったから、雨の町に繰り出そうと思った。ジーパンに穿き替えパーカーを羽織って、外に出てまず感じたのは、こんな雨の日に外出してしまったことへの後悔だった。けれども、まぁ、せっかく外出したのだからと、少し歩くことにした。
僕の家の近所にはかなり広い公園がある。一周するだけでなかなかの運動になるその公園を、僕はお気に入りの散歩コースの一つとしていた。その日は体力が余っていたからかいつもより多く歩いてしまい、つまりは歩き疲れた。家に帰る気も起きなかったから、東屋で休憩しようと思った。公園の中央にある大きな池の畔には東屋があって、そこなら屋根があるから雨はしのげるし、その日は風もなかったから濡れる心配はないと踏んだからだ。
東屋には先客がいた。長い黒髪を下ろした女の子。見たことがない娘だ。歳はだいたい僕と同じくらいに見える。青いワンピースの袖から伸びた手はすらっとして綺麗で、時折思い出したように文庫本のページをめくる。全体的に清楚で、雰囲気はどことなく儚い。


[*前へ][次へ#]

2/4ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!