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短編小説対決
kankisis

早朝、橋、小指


 ある早朝の事、何を考えるでもなく、何をするでもなく、ベッドから起き上がらずにいると、唯この日は休日だったのでそれ位はおそらく許されるが、次に、その日は特にこれといった学校の宿題が出されていなく、親も朝から、なぜ自分を置いて行くのかは知らなかったが、どこかに出かけるというので、だからベッドから起き上がらなかったという事になる訳だが、結局自分は二度寝をし、再び意識を取り戻し、そして或る旅行者の様に縛り付けられている事に気がつき、夢かとは一度二度考えたがしかしそうではなく現実で、また、縛られている以外はさっきと状況は全く変わってはいないという事も現実で、なぜこうなのだろうと考えている暇さえもなく、今度は小人によって自分の両手の両小指が切り取られ、口には何か湿ったものを詰め込まれ、花粉症なので鼻が詰まっており呼吸がしづらく、それは小人に無視され、何とかして脇を見ると、両小指は針と糸によって結合され、更に両先端にはおそらく土台か何かであると思われる物体が取り付けられ、そういえば全然手が痛くないという事に思い当たり、よくよく確認をしてみると両腕さえも切り離されており、そんなことを確認しているうちに小人はどこかへと去り、小指で小川に橋を架けた。


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あきゅろす。
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