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リレー小説第弐
6
 ゼノビアとアルトゥールはぽかんとしていた。たったの三人? まさか。
「おかしい。三人しか来ないのは絶対におかしい。大事なものじゃなかったのか?」
 先程三人の特殊部隊員を生け捕りにしてから一時間が経っていた。二人はその間中ずっと警戒していたが、(そして捕虜からは何も、一言も聞き出せていなかった、)彼ら以外に誰も近づいてくる気配がなかったのだ。
「この機械、」ゼノビアはそれを指差した。「これで本当に正しいんでしょうね」
「間違いはないさ、ゼノビア」アルトゥールは呟いた。「なあ、」今度は捕虜達の方を向いて言った。「まさか、しゃべれないのか?」未だにゼノビアに背後を取られている男の目がそれを物語っていた。「そうみたいね」男の顔を後ろから覗き込んだゼノビアが言った。
「こっちはどうだ」部屋の外で声がして、突然ドアが大きな音と共に開いた。入って来たのはステーションの警備員だった。
「『喪失者』か? 番号を言え」「No.0047」「……No.0021」
「おい、そいつらをこっちに引き渡せ」二人は大人しく捕虜を渡した。「他に捕虜は?」ゼノビアが訊ねた。「いない」「いない?他は皆殺し?」
警備員は怪訝な表情をした。「何?お前達じゃないのか?」アルトゥールが割って入った。「何の事だ? 僕達はずっとここにいた」「廊下で相手方七人が死んでいた……恐らく即死だ」そう言うと警備員は不信感のありありと浮かんだ顔をして、捕虜を連れて出て行った。
「他に誰か来ていたのかな?」アルトゥールがぼそりと呟いた。「全く、これが終わったら自由が手に入るのに……面倒な事になりそうだな、そう思わないか?」
ゼノビアは答えた。「そうね」




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あきゅろす。
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