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リレー小説第弐
4
 カチャッ、キイィ……
 ドアが少しだけ空いた。気配から察するにドアの向こう側には複数人が待ち構えているのだろう。
 「奴らはここに何があるのか分かった上でこの部屋に来たのかしら?」
 ゼノビアが声を潜めるでもなく言った。
 「さっさと入って来なさいよ。その度胸があるのならね」
 ドアの向こうの殺気の主たちはなかなか二人の前に姿を現そうとはしなかったが、しばらくそのままじっとしていた後にそのうちの一人が動いた。
 「喪失者」たちにはその音が聞こえた。
 侵入者が銃口を部屋の中に向けるより早く、アルは半開きだった扉を勢いよく引き開けて、まだ戦闘体勢になっていなかった一人の腹を思い切り蹴り飛ばし、一人の握る化学銃の銃身を掴んで真下に向け、そのアルの背後を狙っていた男の背中にはゼノビアの掌が押しつけられた。
 「大したこと、なかったな」
 アルが放した銃身は不自然な格好にぐにゃりと曲げられていた。指の痕までがくっきりと残っている。そして回し蹴りを一発、侵入者の手からもう使い物にならなくなっている銃を蹴り飛ばした。ゼノビアは相手から掌を放さないままでその体をアルの方に無理矢理に向けさせる。
 「何も言わないのね」
 「ま、簡単に口を開く訳もなし、とりあえすその防護装置を頭から外してやれよ」


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あきゅろす。
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