彼等は反逆し得るか? (kankisis) 完
ケニムヴェルセス オース
ミエルクが息を切らせて部屋に入って来た。
「ナニウォス……ナニウォスが?」
「そうだよ!」
「何てことだ……」
「不敬罪で象蜥蜴に踏み殺されるそうだ」
「酷い」
「俺は……」
「よしてくれ、もううんざりなんだよ」
「そんなこと言うな」
「くそ……俺が、俺があいつをもっと見ていてやれば……こんなことには……決して……くそ!」
「もう忘れよう、そうでなければ、とても……」
「忘れられるわけがあるものか! 俺のせいなんだ、全部、全部、何もかも、全部!」
「引きずるな! いらいらするんだよ、お前が言うと! 出て行ってくれ!」
ミエルクはふらふらと出て行った。入れ替わりにディヴァンが入って来た。
「被害は倉庫だけのようだ」
「そうか」
「あれ、お前の弟と聞いたぞ」
「聞くな」
「何かしたら、それ相応の物が返ってくる……そんなものなんだよな」
ギルナは何も言わなかった。
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