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蛟竜(禮晶)完

穏やかな日々は急に終わりを告げた。
白梅が咲いた早春の昼さがり、宮中の急使がやって来たのである。
どうやら、竜皇子の隠遁場所はきっちり把握されていたらしい。
「亡き正妃様の死因を調べ直す事となりました。そこで竜殿下にもお戻り頂きたく…」
何故、今更?
絶大な権力を握る廉が帝位後継者の本命の竜をわざわざ宮中に呼び戻そうとは夢にも思うまい。
どうも怪しい。何か裏がありそうである。
「コウ。」
「え、何か言ったか?」
今まで聞き流していたが何か重要な話でも?
「私は宮中へ戻る。お前も、私と共に来い。」
共に?誰が宮中へ?
コウが己の事と理解したのは数秒後の事だった。


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