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黒猫と黒猫のあいだの本。


ここは猫しかいない、猫の王国でした。
この国には三毛猫や虎猫、シャム猫などしかいませんでした。

―この黒猫たちを除いては。


「なぁ黒猫」
黒猫はゆっくりと喋りました。
「なんだい?黒猫」
黒猫はゆっくりと返事をしました。

「何故本を書くんだろう」
すこし大人びた声の黒猫が、規則正しく収まった本を眺めます。

「何故本を読むんだろう」
落ち着いた声の黒猫が、規則正しく収まった本を眺めます。

「「わからないね」」


頁と頁がすれ違う音
小鳥のこしょこしょ話
城下町のざわめき

(そして 二人の従者を呼ぶベルの音)



「さ、お姫様がお呼びだ」
「やれやれ、お姫様がお呼びだ」


黒猫と黒猫は、白猫の部屋に仲良く向かうのでした。

(椅子の上の閉じられた本の題名は)

(『ある我が侭なこどもたちのお話。』)

***

文化祭の部誌を知っている方以外は今はなんだその本だと思います。
なんでお城にいるかとかはその内描きたいなー。
しっぽがはえたのは秘密。

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