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拍手ログ1

08/02.04〜02.17

西浦ナインが今困っていることはありますか?

花井、泉、栄口の場合
「って言ったら…なぁ…?」
「あ?もしかしてアイツらのこと言ってんの?」
「…正直、オレも」
「ンだよ、栄口まで。あんなん真っ向から見てるからそう思うんだって」
「や、でも、さ」
「泉は平気なんだ?」
「ん、いないもんと思ってるから」
(うわ、目据わってんじゃん…!)
(実は泉が一番堪えてんのかな…)

水谷、田島、巣山の場合
「えー?田島なんかある?」
「オレ?んー、最近オ○ニーできないことかなー」
「…田島はそれしか頭にないのか?」
「そんなことねーよ!」
「ならアレは?」
「ん?…なにやってんだアイツら」
「な、なんか、やたら近くない?」
「……………あ」

沖、西広の場合
「阿部の声がでかくて心臓に悪い」
「オレ達みたいな小心者には堪えるよね」
「ほとほと三橋が可哀相だと思っちゃうよ」
「でもあそこには愛があるから大丈夫だよ」
「………西広って真顔ですごいこと言うのな」

阿部、三橋の場合
「困ってることォ?三橋なんかある?」
「オ、オレは、あ、や でも…」
(イラ…)
「!そ、そうやって 阿部君が…」
「は?オレがなんだって?」
「お、怒る こと」
(………やべェ、ヘコむ)

花井、阿部、栄口の場合
「お前さ、その短気どうにかなんねーの?」
「…人が気にしてることストレートに言うんじゃねェよ」
「なに?阿部気にしてたの?」
「さっき、三橋に」
「あぁ、言われたわけね」
「………オレだって好きでこんな性格になったわけじゃ…(云々)」
「あーあ、ありゃ本気でヘコんでるね」
「たまにはいいお灸だろ」

花井、阿部、栄口、三橋の場合
「ん?うわさをすれば」
「なんとやら?」
「あ、阿部君」
「……三橋」
「あ の、さっきは ごごご ごめん、ね!怒ってても そうじゃなくても、オレは あ、阿部君がスキだ!」
「―三橋ッ!!」
「あ、あのー…、ここが教室だってこと、わかってるよね…?」
「花井、もうあきらめろ」



08/02.18〜03.01

「お前らなにやってんの?」
 次の授業のために阿部とパソコン室を訪れた花井は、一つのパソコンに群がっている四人に声にかけた。教室内にはもう他に生徒はいなく、浜田、泉、田島、三橋だけが移動もせずにまだ残っていた。
「おー、花井、阿部。なに、次ココ?」
「そだよー」
 遅れてやってきた水谷があたかも最初からいたかのようにひょいと教室に入るなり話に加わった。
 一人椅子に座り、キーボードをたたく浜田とその後ろを囲む泉、田島、三橋。自席に教科書を置くため、そこを通り過ぎようとした阿部はその画面に「三橋廉」と表示されているのを見つけ、何事かとその輪の中に割って入ってきた。
「三橋廉に足りないもの…?」
「あー、占いみたいなもん?前に成分解析とか流行ったじゃん?あれみたいの」
「三橋には時間×3に、いもうとが足んねーんだってさ」
「はァ?くっだンねー。お前らこんなんのために残ってんのかよ」
「…浜田、阿部でやれ。漢字はー、それそれ。隆也」
 阿部の言葉にカチンときた泉は浜田の肩を掴み身を乗り出しながら指示を出す。すぐさま阿部がざっけんな、と食って掛かったが浜田の仕事は速かった。
 Enterキーを押すと画面がすぐに切り替わり、先ほど見ていた画面と変わらないレイアウトが映し出されたが、四枚のカードに書かれた文字を見るなりそこにいた全員の動きが一瞬止まった。
「…すげ、こんなん出んのか」
「…オレ、こんなの出たらヘコむ」
「お前ら信用すんなって!」
「阿部、お前が頑張ってんのはミンナわかってっから」
「阿部君 は、すごい よっ!」
「おー、落ち込む必要なんてねェって」

「お前ら励ますんじゃねェよ!!」

 阿部隆也に足りないもの
 努力 努力 努力 努力

「なっとくいかねー。浜田、コイツらのも入れてくれよ」
「んじゃ泉ね」
「ば、なんでオレからなんだよ!」
 浜田がぱぱっと泉のフルネームを入力するとすぐに結果で表示された。そこには「定職×4」。
「え、これなはいな」
「高校生に定職って」
「だから遊びだっつってんじゃん」

 次に田島。

「人情、若さ、若さ、え、エロス…」
「なんかエロスってあたりが田島くさい、っつーか」
「は?なんでだよ」
「いや、だって…」
「ねぇ…?」

 そいで花井。

「希望、希望、希望、…オーラ」
「な、なんか、微妙にヘコむな…これ」
「そーか?合ってんじゃね?」
「阿部!お、お前ってやつぁ…」
「阿部はひどいヤツだよ」
「はぁ!?」

 最後に水谷。

「………」
「ね、なんでミンナ黙っちゃうの…?」
「…これはなんつーか」
「クソレフト」
「ま、まだ根に持ってんの!?」
「そ、そんなことない よ!水谷君は やさしいし!た、頼りにしてるし!」
「…みはし、うれしいけどそんくらいで。…阿部が怖い」

 水谷文貴に足りないもの
 優しさ 信用 信用 信用

「あ、もう行かねーと」
「花井、電源切っといて」
「オレかよ!」
「ココ7組だとお前の席だろ?」
 じゃぁな、と田島達が教室を出ていった。阿部と水谷も自席についたので花井は一人、つきっぱなしのパソコンの前に座る。
 なんの気もなしに画面を見ていると先ほどのページの下の方にリンクが貼ってあり、その中の「水谷文貴の恋愛傾向」というものに目がいった。クリックしてみると少しゾっとする文字が三つ並び、なんかイヤなサイトだな、と思う。
 ふっと阿部の顔が頭に過ぎり、周囲を確認してから阿部のフルネームを入力した。
 そこに出た結果に対し、阿部の三橋への行動を思えばこれは当たっているんだろうなと漠然と思わずにはいられなかった。

 おせっかい、なんだろうけど、阿部が痛々しくて見てらんねんだよ。

 阿部隆也の恋愛傾向
 自傷 自傷 自傷 自傷



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