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教室に行くと天根だけがいて、ちょっと怯んだけどそのまま意を決して入った。


「あ、佐々木くんおはよう」


「…はよ」


「俺は転校したばかりだから早く来たけど、佐々木くん早いなぁ」


何故か嬉しそうに話しながら、ニコッと昨日も見せた天使みたいな笑顔。


あーやっぱ可愛いわ。そこらの女の子より断然可愛い。まぁ口が裂けてもそんなことは言えねえけど。


大袈裟じゃなくて殺される。


…あー有弘が夢中になんのもわかる。


そこまで考えて、馬鹿らしくなって考えるのをやめた。



「佐々木くんって、藍田くんの幼なじみなんだよね?」


「うん。そー」


「ふぅーん」


「……なに」


「あっううん。なんでも!…この金髪、綺麗に染まってるねぇ」


サラ…と髪を掬われて、ドキッとした。


いやおかしいだろ。男がなんでそんな可愛いんだよ。


「有弘が、これ染めて…」


「…綺麗」



ガラッ



うっ最悪。そこで入ってきたのは、有弘だった。


俺達の状態を見て、笑顔なのに少し不機嫌そうなオーラが漂う。


「あ、有弘…」


「……なんで先行った」


「え、それは」


家が隣なんだし普段は一緒に学校まで来るけど、今日は早く目が覚めたしなんとなく有弘と顔を合わせづらくて、先に来てしまった。


や、でも無断だったわけじゃなくて有弘のお母さんにはちゃんと伝えて…


「ちょっと、こいつ借りるよ」


「えっおい!」


ポカンとしている天根の手から俺を引きはがして、そのまま俺を引きずって教室を出た。


「有弘!手、痛い」


「いいから」


いやよくねーよ!つーか、天根と話したぐらいでこんなに怒るって、どんだけ天根が好きなんだよ!


悲しいぞ俺は!



ガチャンッ



「お、屋上」


「こっち来い」


「なに、嫌だっ。無理だってっ」


パニックになりながら、有弘の手を離そうと必死で暴れる。


なんでそんなに暴れるかって?


笑うなよ。


…俺は高所恐怖症なんだよ。


くそ、笑うなってば!


「…怖くないから。座れ」


「……っ」


肩に上から力を入れられて、俺はその場に座り込んだ。


下が見えなくなってかなりほっとしていると、前に有弘も座り込んだ。



ちゃんと、目が合った。

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あきゅろす。
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