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「ごめん!ポチくん!お願い!」


「おぅ」


「ポチ!頼んだ!」


「しょうがねぇな」


なんだかんだ言って、番犬の仕事は楽しい。久々のケンカ。しかも公式。安里にも怒られないどころかむしろ褒められる。最高だ。


「…っぶ!なんだテメーきもちわりぃんだよそのかっこ…っぐえっ」


「うるせぇ」


笑うやつも、大爆笑になる手前くらいでとりあえず黙らせる。最初は生徒会のやつらも笑ってたが、見慣れてくれば笑わず普通にしてくれるようになった。


「柄がわりぃやつは立ち入り禁止なんだよ!自分とこ帰れ!」


「くそ…っ」


しかも、生徒会のやつらは、あの2トップの部下とは思えねぇくらいに優しいのだ。


「ポチくーん、お疲れさま!しばらく隣で休んでていいよ。これ、差し入れ」


「お、おぉ、さんきゅ」


変なやつが出てきたときだけ出ていって、ボコって、あとはもらった差し入れでも食いながら生徒会室か屋上でだらだらしとけばいいだけ。


いつもボコられて馬鹿にされて犬のようにしか扱われねぇから、頼られるってのも悪くはねぇ。


「ポチくん!お願い!」


「おぅ!」


今日はこの趣味と実益を兼ねた仕事をやり遂げてやる、と遣り甲斐を感じはじめていたら。


「おらおら、不良は立ち入り禁止…って、おまえ」


「ん?ぅお、なんだきもちわりぃ、…って、おまえ!瀬川じゃねぇかー!」


「飛びかかってくんな!」


知り合いに、会ってしまった。
この格好で。

とりあえず、俺が今日1日だらだらして過ごしてた生徒会室に連れ込んだ。集まってきやがったら鬱陶しいしな。


「生徒会室…おまえ、生徒会とかやってんの!?」


「んなわけねぇだろ…手伝いだよ」


見るからに柄の悪い目の前のこいつは、中学ん時の仲間で、俺も人のことは言えねぇけど、たぶん俺よりも馬鹿だ。

二人で差し入れの菓子を囲んで、床に座り込むってのがまず懐かしい。


「ふーん…おまえがねぇ…。そういや飼われたって噂だけど、そいつが生徒会?」


「…噂になってんのかよ…」


「なってんよ。おまえと同じ学校いったやつはいねぇから正確な情報はこねぇし、結城さんに置いてかれてからおまえ、誰にもつかねぇと思ってたのになー」


「……」


結城さんってのは、リーダーのことだ。尊敬してたやつが多かったせいか、三年たった未だに名前があがる。

お陰で、忘れようにも忘れられねぇ。




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あきゅろす。
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