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9※
「は、上出来だ。俯せになれよ」


顔が見てぇ、とか、んなことは言わねぇ。ヤってる最中に男の顔を見るのは、安里が萎えんだろ。だからおとなしくベッドに俯せになった。床じゃねぇだけ昨日よかマシだ。


「…まだ腫れてんな」


「…ッ」


安里が穴の入り口を撫でただけでピリッと裂けるみてぇな痛みが走って、堪えようとしても肩がビクッと揺れる。


それを楽しむみてぇにわざと裂けたとこを指で押されるから、うめき声でもあげてしまいそうだ。けどさすがにそれは情けねぇから、手元にあった枕を握りしめてなんとか声を出さねぇように堪える。


「…勃たねえな」


…いや、痛ぇだけなのに勃つかよ。一体どこに勃つ要素があったってんだ。


「痛みだけで勃たせるのはさすがにまだ無理か。…なら、試してみるか」


「……た、試すって…な、にを…」


なんとなく、不穏な気配だ。なにをされんのかわかんねぇから振り返って確認しようと思ったら、なにか冷たい液体をぶっかけられて、


グッ、とさっきまで入り口を触っていた指が中まで割って入ってきた。


「…ッッ!う、…ッ!!」


や、やっぱ痛ぇ…っ!


液体が傷口に染みるピリピリした痛みと、締まろうとしてるもんを乱暴に拡げられるジクジクした痛み。指一本でこんな痛ぇのに、あんなでけぇもん無理だ。今度こそ死ぬ。


「あ、さと…っ、すっげぇ痛ぇ…っ、」


「知ってる。すぐよくなるから、ちょっと我慢しろ」


「こんなに痛ぇのにっ、よく…っなんか…!」


なるかよ…!と反論しようとして、


「………ッ!!?」


安里の長ぇ指にガリッと中の一点を引っ掛かれた瞬間、目の前が真っ白になるみてぇな衝撃が走って、自分でも笑えるほど体が跳ねた。



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