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「かはっ……!」


安里に蹴られた横腹と、フローリングにぶつけた背中が痛ぇ。つか、今なんで蹴られたんだ俺。


腹を押さえながら起き上がれば、もうモノをしまった安里がソファーで殺気を放っていやがる。


安里のを舐めながら興奮して勃ち上がったもんも、痛みと恐怖で完全に縮んだ。


ちなみに俺の今の恰好は、全裸に包帯と首輪っつード変態な恰好だ。別に構わねぇけど。


見れば蹴られた箇所は青く痣が出来ている。蹴られることはよくあるが、ここまでになったことも、安里がそこまで本気で蹴ったこともなかったんじゃねぇか?


つまり。


今までになく安里が怒っている、かも知れねぇということ。いや、昨日もかなりだったが。


「龍のモノをくわえたのか?」


「え、あぁ…」


「…なるほどな。つまりおまえは、俺のやったリングを取られ、あいつに首輪をつけられ、さらに挙げ句の果てには奉仕までしてやったと」


いやいや、俺が奉仕だと?違ぇだろあれはどう考えても暴力だ。


「俺は、」


「黙れ。おまえはわかってねえな?…賢い犬ってのはな、ご主人様の味方には尻尾を振り、敵には牙を剥くもんなんだよ」


安里がソファーから立ち上がって、床に座り込んでる俺の方へと歩いてくる。


「誰にでも尻尾を振る駄犬には、しつけが必要だ」


俺のすぐそばに来て、起こしていた上体を今度はやんわりと足で倒される。そのまま、安里の足が俺の胸に体重をかけていく。


「…あ、安里…ッ」


ちょうど肺の上。心臓ごと圧迫されているような、そんな苦しさ。


「俺に全力で尽くすんだろ?」


苦しくてぼやける頭で必死に考えて、必死に頷いた。何をされたって、全力で尽くしてやりたい気持ちに変化はねぇ。


「誓ってみせろよ」


ス、と圧迫感が消えて、安里の足が退けられた。


誓い?


ってーと、どうやるんだ?


ひゅーひゅー鳴る喉は我慢して、とりあえず起き上がった。


そしたらふと思い付いて、そのままはいつくばる。


顔を下げて、


安里の足の甲に近づけて、


精一杯の忠誠を心に誓って、


そこに、キスを落とした。



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