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1-3.


私の名前は藤崎 茜。


高校2年生の17歳。
名字も名前も平凡だから、同じ高校に藤崎は2人、漢字の違う「あかね」は3人もいる。



そのことを特に嫌っているわけではないけれど、もう少し考えてくれても良かったんじゃないか、とは思う。
しかし平凡な私にも周りの子とは少し違うところがあった。



私の髪は背中の中ほどまであるのだけれど、小さな頃から染めたような茶色。しかも両親も弟も普通で、不思議なことに私だけ。



幼稚園に通っていた頃はみんなと違う髪の色で男の子にからかわれたりいじめられたりして、迷惑以外の何物でもなかったけれど、高校に入ってからは、髪を染めた子なんてざらにいて、特に私だけが目立つことはなくなった。


今では「染める手間が省けていいかも」程度に少しありがたく思っている。





そんな私の住んでいる町は東京のベッドタウンで、15年ほど前に新しく駅が作られ、都心まで1時間以内で通えるようになったことにより開発の進んだニュータウン。


この家には私がまだ幼稚園に上がる前に、父の転勤の都合で引越してきてからずっと住んでいる。
緩やかな斜面に面していて、この坂を登り切ったところに私がもうかれこれ2年通っている公立高校がある。



校立10周年を去年ようやく迎えた学校もやはり、都市開発によって建てられたものだ。


偏差値は中の中、近隣の公立高校と比べて特に劣ってもいなければ特に秀でているわけでもない、新しいことだけが取り柄のどこにでもある高校。


けれど根っからの遅刻魔で、家から遠い中学校に通っていた頃の私は週の半分を遅刻するほどであったから、坂があっても家から徒歩15分の高校は正直ありがたい。



おかげで入学してから遅刻は両手ほどしかしていない。





今日もどうやら遅刻は免れそうだ。


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あきゅろす。
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