Tales of Symphonia Prohibited act⇒ロイゼロ クラトスが、実の父親だったという事実。 オゼットで助けたハーフエルフの少年――ミトスこそが、ユグドラシル本人であった事。 そのミトスによって、俺の目の前で瀕死の傷を負わされた、アルテスタさん。 …実力の差を、思い知らされる。 (俺は、あんなヤツに勝てるのだろうか?) かつての『英雄』と謳われた、勇者ミトスに…。 (…それでも俺は、絶対に勝たなくてはいけないんだ!!…世界を、統合させないと…。) 変に高ぶる精神を落ち着かせようと、手の中にあるペンダントを開く。 ――そこには、幸せそうに笑う親子が写っていた。 (…本当に、クラトスは俺の実の父親なんだな…。) 昨日の夜、誰かに呼ばれた気がして外に出てみると、そこにはクラトスの姿。 そして知る事になった、母さんを亡くすまでの真実。 ――母さんは、要の紋なしでエクスフィアを外されて、化け物にされてしまった。 そこで、クラトスに自分を殺すよう懇願した。 …小さかった俺や、ノイシュを殺してしまうかもしれなかったから。 クラトスはそれを承諾し、母さんを……殺した。 仕方がなかったとはいえ、愛する人を自分の手で殺してしまったという事実は、計り知れない程の心の傷になるのだろう。 あのいつも冷静なクラトスでさえ自暴自棄になり、一度は離れたクルシスにまた戻ってしまった位だ。 …だが、今ちゃんと生きているだけでもすごいと思う。 もし、俺も愛する人を殺してしまったら… ――綺麗な紅い髪を持つ、何よりも大切な存在を…この手で、殺してしまったら… そんな事、考えられない。 アイツのいない世界なんて、俺には意味がない。 (…何、考えてんだろ?俺は…) 俺が、アイツを殺さなきゃいけない事なんてないのに。 それに、ずっとアイツと一緒に生きていくって決めたんだ。 だから大丈夫、と自分に言い聞かせるように呟く。 (…そんな事、ある訳ない。) だけど、心の何処かでは、その事を信じられない自分がいた。 ――俺の精神状態は、いつになく不安定だった。 俺の腕の中には苦しそうに笑う、夕日色の羽根を背負った愛する人。 「…ごめん、な?…ロイド…。」 こんな事になるはずなんて、なかったのに。 「…俺の…クルシスの、輝石…ちゃんと壊せ、よ…?」 俺はコイツを、絶対守るって…ずっと一緒にいるって、誓ったのに。 「…愛してる、ぜ?…ロイド……。」 最期にそう言い残し、静かに息を引き取ったゼロス。 ――この悪夢のような現実に、俺は耐えられなかった。 「あッ!ハニー!!どこ行ってたんだよ〜?俺様、すっごく探したんだぜぇ??」 目の前には愛しい人の姿。 「…ちょっと用事があって、さ。」 「…ふ〜ん?ま、それより早く行こうぜ!!…オリジンを解放するんだろ?」 俺はその言葉に頷き、口を開く。 「…ゼロス、お前は絶対に俺が守るから。」 「…いきなり何言っちゃってんのよ。…ま、ハニーに守って貰えるなら、悪い気はしないけどな。」 そう言って照れ隠しをするゼロスを抱き締め、「愛してる。」と耳元で低く囁く。 すると、「…俺様も。」と抱き締め返すゼロス。 腕の中の暖かい存在を、とても愛しいと思った。 ――もう、二度と間違えたりしない。 (…そう、もう二度と……お前を、殺したりなんてしない。) 暗く微笑むロイドの腰には、あるはずのないエターナルソードが鈍く輝いていた。 せっかく全部書き上げたのに、キレイサッパリ消えてしまった作品です,,,orz 保存も何もしてなかったので、また一からやり直し(つд≦。) 話も一から創りなおしました(-_-;)だから、話がまたおかしい事に,,, この話は、スキットを見て思い付いた話です。 エターナルソードは時空を越えられる――的なヤツです。 リフィルには止めておいて,自分はあっさり使っているロイド君です☆笑〃 本当はもっと長かったんですけど、削りまくりました;; その削った分は、続きとして書くつもりです。っていうか、書きます!!← このお話にもう少しお付き合い頂けたら嬉しいです!! [*前へ][次へ#] |