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「お前らなぁ。本人を目の前にしてモフモフモフモフと恥ずかしくないのか?下品な事、この上ないぞ?」


博麗神社・・・・・・だった所。なぜ゛だった″というと、あの温和でなかなか怒らない八雲藍がある人達に怒っている最中で・・・説教神社になっているからだ。そして、藍に怒られているその人達は・・・只今、正座中である。・・・12時間も・・・・・・


「でも、まぁ・・・・・・」


でも、その人達に・・・


「それほど疲れているというなら・・・少しだけ触ってもいいぞ?条件付きで。」



















『モフモフ万歳!!!』





















「「「「「「「!!!?」」」」」」」



藍の言葉を聞いた瞬間、全員右足を前に身を乗り出す。かなり嬉しいようだ。
その様子に藍は・・・若干引くが、自分が言った事は守らねばと思い直し、コホンと咳払いする。
「条件というのは私に油揚げを納める事だ。もちろん、出す油揚げが良ければ良いほど良いぞ。その逆も然りだ。」
「「「「「「「よっしゃ!!ちょっと、油揚げをt「あぁ、待て待て。まだ話は終わっていないぞ。」
藍の説明を聞いた途端、油揚げ入手に動こうとするが・・・引き止められる。・・・どうやら、まだ条件が残っているようだ・・・
「ただし、ネガネガした宇宙人と崖下っぽい奴ら。お前らはダメだ。」










「お、俺は・・・藍様が・・・俺を嫌っているなんて・・・思いたく・・・う、ううっ・・・」

「諦めません、モフモフするまでは。」

「モフモフできなくていい。代わりに2828する!!」

「ははっ、正座で燃え尽きたよ・・・真っ白にな・・・」










藍の言葉に・・・ハブられた人達はそれぞれの反応を示し・・・モフモフする事を許可された人達は早速油揚げ集めにと出発する・・・



















ブロントさんの場合・・・



「おいィ?俺が1番手なんだが?」
そう・・・先ほどあった『モフモフ順番ジャンケン大会』で、見事一番目になったブロントは相変わらずの仏頂面であるが、微かにニヤけながら博麗神社の居間に入る。・・・そこにいる袖内で腕組みをしながら、正座している藍の尻尾をモフモフする為に・・・
「・・・で?約束の物は?」
「慌てないべきそうすべき。言を急ぐと元も個もなくなるという迷台詞を知らないのかよ。ちゃんとここにあるぞ。」
そう言って・・・鞄に手を突っ込み・・・取り出すは・・・・・・九枚の油揚げ。それを皿に乗せ・・・藍の前に出す・・・
「・・・九枚か。」
「おぅ、九枚なんだが?」
「・・・モフモフするのは九回だな。」
「ほぅ、謙虚だな。ジュースを奢ってやろう。」
「ありがとう・・・」
そう言って、ブロントからのジュースを受け取り・・・献上された油揚げを一口食べてはそれを飲むが・・・合わなかったのか、すぐに置く。そして、油揚げだけを全部食べる。何か腑に落ちないと思いながら・・・。
そう微妙そうにだけども少し充実感を覚えながら食べ終えた藍はブロントに向かって後ろに向く。モフモフさせる為だ。
「じゃあ、触っていいぞ。」
「封印が解けられた!」
そう言って、ブロントは藍の尻尾に飛びつき・・・力強くモフっとする。その瞬間、ブロントは深い安堵の溜め息をつく・・・
「こるは素晴らしい癒しだすばらしい。やっぱり、あrんの七宝は最高の癒し具っズだな。今回でそれがよく分かったよ≪藍の尻尾感謝」
そんな調子でその癒しを忘れないよう身体に染み込ませるように力強くモフモフし・・・九回目をした瞬間・・・・・・ブロントの体は吹っ飛び・・・神社の外を過ぎ、境内で体をバウンドさせ、最後は長い階段に転げ落ちて行く・・・・・・そんな中、居間では・・・



「いくら癒されるからと言って、女の体の一部を力一杯に締めるな。愚か者が。」



そう・・・右拳を突き出した体勢のまま、一点を見つめる藍の姿があった・・・




















汚い忍者の場合・・・










「ブロントざまぁwww」
そう目線をしながら、汚く笑う忍者。かなり上機嫌に。今、汚いなさすが忍者きたないと言えば、汚いは褒め言葉だ!!とかなり調子に乗って言いそうな雰囲気を持っていた。
「次はお前か。約束の物は?」
「あぁ、もちろん、用意してるぜ。」
忍者はそう言うと懐に手を突っ込み・・・確かに油揚げを取り出す・・・・・・竹輪入りだが・・・
「・・・なんで竹輪が入っているんだ?」
「その方が美味いに決まってるからだろ。ほら、受け取れ。」
そう忍者は竹輪入り油揚げを藍に手渡し・・・彼女はそれを一口食べるも・・・すぐに竹輪を抜く。これには忍者も眉をひそめた。
「油揚げの旨さを竹輪が殺している。これでは、食べられない。」
「おい、竹輪をケチつけるのかよ。竹輪が味を殺してんじゃねぇ。油揚げが殺してんだよ。」
「今なんて言った?よし、分かった。もうモフモフさせてあげないからな。」
藍はプイと背中を向けそっぽを向く。どうやら、怒ったようだ。・・・が、忍者もまた竹輪を貶された事に怒る。
「けっ!竹輪を馬鹿にするような奴なんざ、こっちから願い下げだ。帰るぜ。」
忍者はそう言うと、外に向かって歩き出すが・・・途中で立ち止まる。そして、振り向き・・・
「だけど、その前によ。毛のクルージングだけしてもいいか?」
「・・・何?」
藍は怪訝な表情で、すぐに自分の尻尾を見ると・・・先ほど、ブロントに乱暴された為か毛が乱れたままであった・・・
「みっともねぇからよ。それだけやったら帰るぜ。」
そう忍者は口元をへの字にしながら不本意だがと表すように言う。対して、藍は・・・確かに乱れたままにするのはと考え・・・



「では、お願いする。」










射命丸文の場合・・・





「失礼します。」
そう文は居間に入るなり、礼儀良く一礼する。その前にいる尻尾の毛が艶やかな藍に対して・・・
「次は文か。例の物は?」
「はい♪私の方はこちらを用意しました。」
そう言って・・・丁寧にうやうやしく出される油揚げ一枚。一見何の変哲もないが・・・見る人が見れば分かるのか・・・藍は目の色を変えた。
「そ、それは人里で流行しているという『食べる油揚げ』!?入手困難で一枚手に入れるだけでも苦労するというのに・・・」
「はい、今回たまたま手に入ったので是非召し上がって貰えればと思いまして。」
「是非頂こう。・・・・・・〜〜〜♪」
藍はすぐに油揚げを手にし食べると・・・よほど幸せなのかそれが顔に出て、恍惚とする。一口食べる毎に・・・・・・そして、三十分かけて食べ終わった頃には至福の時を過ごしたと言わんばかりの笑顔を文に見せていた。
「うむ、美味しかった。それでは、モフモフしてもいいぞ。」
「では、失礼しますね。」
そう言って・・・藍は後ろを向くと、文は目の前にある黄金色の尻尾をモフモフする為に優しくだけども癒しが身体全体に染みるように抱きつく・・・・・・すると・・・
「おぉ癒される癒される。あの賢者が藍さんを式神にした理由がよく分かりますよ。」
「別にその為だと思えないが・・・」
かなり癒されるのかそうだらしなく気の抜けた顔になる文に対し、眉をしかめながら怪訝な表情をする藍。そして・・・文はモフモフしていく内にある事に気付く。
「そういえば、先にお二方がモフモフしたのに、そんなに毛は乱れていませんね。」
「あぁ、あの目線をした男がクルージングしてくれたからな。気が利く奴だ。」
藍は興味は無いと言うようにすました表情だが、文は興味深そうにメモ帳を取り出す。
「ほぅほぅ!そうなんですか。あ、そうだ、藍さん。あなたに色々取材したい事があるんですが、いいですか?」
「『食べる油揚げ』の礼だ。なんでも聞いていいぞ。」
「ありがとうございます。早速ですが、ブロントさんはどう思われますか?」
「どう、と言うと?」
質問の意味が分からなかったのか疑問を持つ藍。対して、文はニコニコと笑顔である。
「なんでも結構です。印象とかでも。」
「そうだな・・・あいつはデリカシーが無さすぎる。私の尻尾を思いっきり掴んだからな。おかげで痛かった。だから、少し制裁を加えてやった。」
「なるほどなるほど。では、汚い忍者はどうですか?」
「あいつも気に食わないな。油揚げを馬鹿にしたから。だが、ブロントさんと違って気が利く所は良いな。最初の印象は悪いが。あれがツンデレというやつか。」
「ほぅほぅ・・・なるほどなるほど、ありがとうございます。もう私は充分癒されましたのでこれで失礼します。」










博麗霊夢の場合・・・






「はい、藍。」
居間に入るなり、開口一番がその言葉で藍に油揚げをあげようとする霊夢・・・・・・だが・・・手に持ってるものは確かに油揚げと言えば油揚げなのだが・・・
「・・・ひとかけら?」
「なによ、文句あるの?素敵な巫女から貰えるだけありがたいと思いなさい。」
そうつっけんどんと渡す霊夢。お前それでいいのか?と思うが、これが霊夢の通常営業だからどこもおかしくない。
「・・・まぁ、紫様が世話になってるからな。モフモフしてもいいぞ。」
「じゃあ、遠慮なく。」
そうどこか゛まぁ、それが霊夢だからな″と何か諦めた雰囲気を漂わせながら、霊夢から油揚げひとかけらを貰い、口に放り込んだ後は後ろを向き・・・ケチな巫女は目の前にある尻尾にモフッと身を任す・・・
「・・・はぁ、気持ち良い・・・・・・前々から触りたいと思ってたのよねぇ・・・」
「そうだったのか?初耳だな。」
「ただお願いするのがめんどくさかっただけよ。」
「・・・・・・そうか。」

(怠けた巫女だ。)

藍は心の中で静かにそう思っていると・・・ふと、ある疑問が頭に舞い降りてくる。それを口にしようと藍はすかさず霊夢に質問する。
「なぁ、霊夢。」
「何よ?」
「ブロントさんはお前を癒してくれないのか?」
「はっ!?」
突然の藍の質問に霊夢は素っ頓狂な悲鳴を上げる。今まで感じていた癒しが吹っ飛ぶぐらいに。
「いや、長い間一緒に住んでいるのだからそういうのがあっても不思議じゃないだろう?ましてや、霊夢とブロントさんの関係はもうパートナー同士じゃないか。お互いを癒す事ぐらいなんd「ななな、何を言ってんのよ、あんた!?私とブロントさんはまだそういう・・・・・・〜〜っぅ、帰れぇぇ!!!」


赤面真っ赤っか。


霊夢はそう叫びながら藍から離れ、その次に相手を庭に向かって蹴り飛ばす。地平線まで届くように思いっきり。
対して、藍はその蹴りをまともに受け・・・地平線までは当然ながら行かなかったが、庭の地面にダイレクトにぶつかり・・・へたり込む。そして、霊夢は・・・もうお前に用は無いと言わんばかりに障子をピシャッ!!と閉める・・・
「・・・聞いただけなのに蹴飛ばされた、誰かに癒されたい・・・・・・」
そう・・・地面に頭を付けながら、藍は呟き・・・・・・ゆっくり立ち上がっては家に帰ろうとフワリと宙に上がり、飛んでいくのであった・・・




















その数日後・・・・・・藍がブロントと忍者を癒した事を書かれた『文々。新聞』が文の手によって発行され・・・その捏造された記述に藍は大いに赤面するのであった・・・






























オマケ




[【『疲れているなら私が癒してやろうか?』九尾の誘惑!!!】

先日、私射命丸文はある場面に出くわした。それは『幻想郷の賢者』八雲紫の式神八雲藍に癒されたいと集まる男達の姿であった。
八雲藍には癒し要素があり、その主人八雲紫が言うには「いつも癒されている」という事である。おそらく、今回の件はその事を耳にし、仕事、家庭、交友関係等のストレスから開放されようと男達は癒されたいが為に八雲藍の下に集まったのだろう。
だがしかし、その本人である八雲藍もはい分かりましたと承諾するわけにはいかない。なぜなら、八雲藍の体は一つ。その体でたくさんいる男達を癒すというのはいくら『最強の尾獣』九尾でも無理があった。その為、八雲藍は多数いる男達を二人に厳選した。そして、選ばれたのがブロントさんと汚い忍者である。
今回、二人が八雲藍に癒されたい理由は仕事と家庭と交友関係のストレスから開放されたいが為である。特にブロントさんは仕事と家庭。汚い忍者は家庭と交友関係・・・と二人はそれぞれその二つにかなりの疲労を感じていた。だから、その疲れを癒す為に八雲藍の下に二人は来たのだ。そして、多くいる男性の中で選ばれた二人は大喜び。その感謝を八雲藍に表現しようとブロントさんは九枚の油揚げ。汚い忍者は竹輪入りの油揚げを用意し、それを八雲藍に献上。それを八雲藍氏は笑顔で受け取り、食された。
その後は約束通り、八雲藍は一人ずつ癒していくわけだが、残念というか当然と言えば当然なのだが、一人呼んでは部屋に籠ってしまった為、その時の写真を取れなかった。その為、この『文々。新聞』愛読者の皆様にその様子をお伝えできないのが非常に残念で仕方がない。
せめてものお詫びで、私射命丸文はその際の事を皆様に少しでもお伝えしようと八雲藍に直接インタビュー。その結果、八雲藍は快く取材に応じる。
八雲藍曰く、ブロントさんとの際は「ブロントさんはデリカシーがなく強引で痛かった。だから、少し制裁を加えた」とコメント。どうやら、かなり強引にやられたようだが、その後に「九回やらした」とコメントした所を見ると八雲藍はもしかしたらMかもしれない。
次に、汚い忍者の際を聞くと「最初は相性は悪かったが、徐々に良くなった。しかも、その後乱れた尻尾をクルージングしてくれたから良い奴だな。あれがツンデレというやつか。」とコメント。その時、満足気な表現を見せてくれた所を見るとかなり良かったらしい。もしかしたら、この二人の関係は今後も続くかもしれない。
以上、その時の様子だったが、伝わっただろうか?この次は皆様にその様子を正確にお伝えできるよう、またこの時が来ればその際の様子をフィルムに抑えたいと思う。]



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