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さて・・・・・・・・・これは一体どんな状況なんだ?


仮面をつけたナイトことnaitouは冷静に今の場の状況を頭の中で整理する。
まず、ここはどこか?見た所、和風の部屋で畳の香りが彼の鼻をくすぐる。・・・naitouはそれに関して、替えたばかりなのだろうか?と思うが、ひとまずその思考は頭の片隅に置く事にした。

次に、部屋にいるメンバー。
まず、彼の横には内藤であるリーダーことAさんからEさんまでずらりと並んで座っている。ただし、Bさんは槍を磨いていて、Cさんはバニシュの本『バニシュの始まり』を読書しているが・・・・・・まず、それは置いておこう。問題はnaitouを含めて彼らの前にいる人物・・・下はドレスのようにフリルが付いている導士服を着た、布の帽子に大きなリボンを付け長い金髪にたくさんの赤い布を結んだ女性がいた。そして、体つきはスレンダーで男性の目を惹き付けるには充分の美貌。分かりやすく言えば、ボン!キュッ!ボン!!である。顔もスッと綺麗な顎のラインを引いており、大人の女性独特の妖艶な・・・美しさにプルンとした唇。そして、相手の心を射抜く細い目・・・・・・そんな女性を前にnaitouはつい鼻の下を伸ばして見とれてしまうが、すぐに我に帰り心の中で、゛仮面がなければ無様な顔を晒す所だった!″と仮面に感謝する。そして、すぐに再び場の状況を整理する。
ひとまず、部屋の内装、人数は確認できた。
それらからnaitouなりにわかった事は最低限自身を含めリーダー達も目の前にいる女性に会った事がない・・・いわゆる、初対面だ。
もし会った事があるなら、絶対にこんな美人を忘れる訳がないとnaitouは心の中で密かに思う・・・・・・思うのだが、ではなぜ?なんで、初対面でしかも見知らぬ部屋でnaitouたちは目の前の人と向き合っているのか?
彼はそれに理解できなかったが・・・・・・・・・naitouはまずはと、ここに来る前のやり取りを静かに思い出す・・・・・・























『ナナナナナナと勘違い脳と不幸なLSと・・・・・・ヤンデレ』













リ「皆、聞いてくれ!(キラッ 僕達宛に依頼が来ているぞ!(キラン」

リーダーが前歯をウザく光らせながら、俺達に言う。しかも、自分たち宛に依頼が来た事が嬉しいのか普段の数倍の輝き。
おかげでリーダーを直視(別に見たい訳ではないが)できないし、リーダー自身もそのあまりにも眩い光に隠れてしまう。
糞が、前歯ロストしろ。

B「うはwwwwwwwwwとうとうwwwwwww俺の槍捌きがwwwwwwwww天下に轟いたwwwwwwww」
C「バニシュに救いを求めてきたか・・・胸が熱くなるな・・・。」

安心しろ。Bさんの槍もバニシュも未だに無名だから。あるとすれば、Dさんの武だが・・・・・・って、なんだろ、この無双的な思考は?
その規格外の強さを持ったDさんを見るとDさんの財布を盗もうとしたEさんを吹っ飛ばしていた。
うん、いつも通りだ。にしても、俺達に依頼するなんてどんな物好きな人なんだ?

俺「リーダー。それは誰からの依頼なんですか?」
リ「実は差出人は分からないんだ。寝ていたら、いつの間にか手紙がおかれていからね(キラッ 手紙の内容も依頼の方は直接説明するみたいで書かれてなかった。その代わり、OKだったら大声で『依頼、承った』って叫べばいいみたいだよ(キラン」

・・・・・・・・・すまない、リーダー・・・・・・イタズラじゃないのか?

B「おKwwwwww俺はいつでも準備万端wwwwwはやくwwはやくwwはやくww」
C「バニシュに理解がある人だから、きっと素晴らしい人だろう。」
D「wwww骨のあるwwwwwww依頼だといいなwwwwwwwwwこの前は活躍できなかったしwwwwwwwww」

全員受ける気満々かよ!!少しはリーダーの話を疑おうよ!?
あ、吹っ飛ばされたEさんが戻ってきた。表情からして・・・・・・Eさんも受ける気満々だよ・・・

リ「よし、それじゃあ、早速叫ぶよ(キラン」

リーダーはそう言うと、俺達に背を向け、リーダーは空を見上げる。その時、リーダーの前歯が日中にも関わらず、その煌めきが分かるぐらいに輝く。見る人が見れば、ついその下に宝があると勘違いしてしまいそうなぐらいに。そして、ゆっくりと息を吸い始めた。・・・どうやら、思い切り叫ぶらしい・・・・・・大勢の人々が行き交る道のど真ん中で・・・。
もうどうにでもなれ・・・。













「その依頼、承ったーーーーーー!!!!(キラーーーーーーーン」


リーダーの前歯が限度を越えた光を放射し、雲ひとつない快晴で太陽が地上を照らしているにも関わらず、前歯の光が俺達の周りを包む。俺はつい両腕で顔を防ぎ、目を思いきり瞑ってしまうが・・・・・・なんだか、リーダーの前歯の光に包まれるのって嫌だな・・・。吐き気をもy・・・って、あれ?なんで、浮遊感を感じるんだ?誰だよ、レビテトかけtッ!!?〜〜〜〜〜っぅ・・・・・・お尻が痛い・・・・・・浮遊していたんじゃなくて、落ちていたのか・・・・・・うん?なんで、俺は地面の上に立っていたのに落ちていたんだ?
俺はゆっくりと瞼を開けるとそこには・・・・・・いつの間にか、見知らぬ部屋にいて、目の前には見知らぬ女性がいた・・・。




そして、現状を把握して今に至るが・・・・・・この美しすぎる女性は誰だ?

俺「・・・あなたは・・・・・・誰ですか?」
紫「私は八雲紫。あなた達に依頼の手紙を送った依頼主ですわ。」

この人が・・・・・・依頼主?こんな美しい人が?正直嬉しいが、なんでこんな俺達なんかに依頼を・・・

リ「あなたが依頼主ですか(キラン それでどんな依頼かな?(キラン」
B「うはwwwww依頼主wwwwwwww依頼内容は分からないけどwwwwwwwww必ずwwwwwwwこの天下に轟いたこの槍でwwwwwwww依頼を成功させるwwwwwwwwww」
C「バニシュについて語り合いませんか?」
D「wwwwところで、依頼内容は?wwwwwwwwAV狩り?wwwwwwww」
E「wwwwwwwwwイテッwwwww」

くそー、なんで、皆美女を前にして冷静なんだよ。俺なんかいつも盗もうとするEさんの対応をキルするか顔を思いきり殴るかのどちらでもなく、紫さんが俺の行動に引かないようEさんの手を思いきり叩いているのに・・・。Cさんが若干、ナンパしているようにも聞こえるが、恐らく違うだろう。頭の中はバニシュに理解ある人と勝手に勘違いして、バニシュの話に盛り上がりたいだけだ。
そして、紫さん。あなたはどうしてクスクスと余裕そうに笑うんですか?

紫「クスクス、落ち着いて皆さん。まず、場所を説明するとここは『マヨヒガ』の中にある八雲邸。私の隙間能力であなた達をここに連れてきたのですわ。」

・・・隙間能力?なんだ、それは?

D「要するにテレポだな。」
紫「そういう事になりますわね。」

・・・・・・なんで、隙間能力=テレポという考えに・・・・・・・・・はっ!!!


人里の中心部→見知らぬ部屋
      ↑
 紫さんの隙間能力による移動

人里の中にある道→永遠亭
        ↑
 Dさんが作ったテレポによる移動


・・・こういう事か。ていうか、これはDさん限定じゃないか!

紫「まぁ、移動手段に関しての細かな説明は今はできませんが・・・まず、依頼を受けるという事でよろしいですわよね?」
リ「HAHAHAHA!!もちろんさ!(キラン 皆、受ける気満々だしね!(キラン」

若干一名ここに確認を取っていませんが・・・

紫「わかりましたわ。では、これから話す事は他言無用でお願いします。そして・・・」
















紫「もし依頼内容を聞いた後に依頼を拒否しましたら・・・あなた達を俗世に帰すわけには参りませんわ・・・。」

・・・・・・えっ?そこまで、重大なのか?ていうか、そんなに重大な依頼を本当に俺達に任す気なのか?紫さん・・・・・・どこから俺達の事を聞いたか知りませんけど、俺達に任したら大変な事になりますよ?

リ「元より僕達は僕達を頼った依頼主の為に来たから、どんな依頼でも大丈夫さ(キラン」

言ってる事は頼もしいけど、そのウザく光る前歯のせいで全てが台無しだ。そして、紫さん。よく光っているリーダーにクスクスと笑いながら見れますね。眩しくないんですか?

紫「クスクス、頼もしいですわね。では、先に依頼内容を言いますが・・・」




















「内容はブロントさんの救出ですわ・・・。」


・・・・・・えっ?・・・どういう事だ?

俺「紫さん。それはどういう・・・・・・それにブロントさんって、確か行方不明のはず・・・。」
紫「えぇ、そうですわ。今は私の隙間の中にいるんですの。」

??? どういう事だ?
依頼内容はブロントさんの救出。それはわかった。なのに、なんで゛隙間″という自分の領域(おそらくだが)にいるのに、そこからの救出になるんだ?

リ「なるほど。救出か。具体的にはどうすればいいんだい?(キラン」

リーダーが珍しく核心を突く。そうだ。具体的にどうすればいいか・・・それを聞けば分かる。

紫「具体的にはブロントさんに固執している者達から助ければいいんですの。」
俺「固執している者達?」
紫「えぇ、その者達の人数は十人で全員女性ですが、いずれもかなりの手練れ。そう簡単には救い出せませんわ。」
俺「・・・紫さん。一ついいですか?」
紫「何かしら?」
俺「なぜ、隙間という自分の領域の中にブロントさんがいるのにも関わらず、自分で救出できないんですか?それに、ブロントさんに固執している十人もそこにいるんですよね?なぜですか?」

俺は紫さんにそう質問すると、紫さんは物悲し気に・・・少し俯く。

紫「・・・少し話が長くなりますが・・・その十人はブロントさんの事を慕っていたと同時に好きだったんですわ・・・心の底から・・・愛していた・・・。どのくらい、好きだったかというと暗黙の了解で抜け駆け禁止を作るほどでしたわ。自分から進んで誘惑したら・・・ブロントさんを色気で騙したと周りは見えてしまうから・・・。」

・・・なんだか、その十人の女性怖いな・・・・・・独占欲が強すぎる・・・

紫「・・・・・・そんなある時、事件が起こった・・・。私がたまたまブロントさんの所に遊びに行こうと思って、状況把握に隙間を開いて覗いたら、そこにはブロントさんが女性関係で何かしたのか、女性の一人が鉈の柄の部分をブロントさんの頭に振り落とした場面を見てしまったんですの。それで、ブロントさんは死んでしまったわけですけど、あなた達ヴァナ人は死んでもレイズもしくはフェニックスの尾で生き返る事ができますから、私はまず様子を見ましたわ。ちなみに、そこには他の九人の女性もいて、その後彼をこれからどうしようか協議になりましたわ。内容はブロントさんをどうするかで、そうなったきっかけはブロントさんが他の女性と二人きりになった事に原因があったみたいですけど、私はすぐにわかりましたわ。ブロントさんはただその女性と二人きりになっていただけで、それ以上の事はないって。でも、彼女達には関係ない。重要なのは゛ブロントさんが他の女性と二人きりになっていた″という事実だけですわ。それで、話が進められていきましたが、酷いものでしたわ。ブロントさんを氷漬けにするとかホルマリン漬けにするとか・・・最終的に決まったのは゛ブロントさんを人形化″というものでした。それだと、ブロントさんを自分たちの思い通りに動いてくれるからって理由ですけど、考えられます?」

・・・怖い・・・・・・正直、かなり怖いです。体が震えるぐらいに・・・。もしこのまま依頼を受けたら、彼女達と戦う事になるわけだが・・・マジかよ。・・・・・・辞退したい・・・。

紫「それでそうと決まりましたら、一人の女性がブロントさんに糸を仕込んで、゛ブロントさん人形″の出来上がり。その時の私は単純に皆が寝静まった頃を見計らって、ブロントを助けようと考えていましたわ。でも・・・無理だった・・・。」
俺「・・・?なんでですか?俺達を隙間でここに移動させた時と同じように、ブロントさんも移動できたんじゃ・・・。」
紫「えぇ、もちろん、それをしようとしましたわ。でも・・・・・・なぜか、嫌な予感が出てきたんですの。だから、私は一度別方向からこれから自分が隙間から出てくる予定だった場所を覗きましたわ。すると・・・・・・そこには彼女達が集まっていました・・・・・・自分が出てくる予定の場所に・・・。まだ、隙間の中にいたにも関わらずの先回り。もし嫌な予感を気にせず、開いていたらどうなっていたかはわかりませんが・・・・・・これだけはわかりました。゛絶対にタダでは済まなかった″事に・・・。」

こえぇ・・・・・・かなりこえぇ・・・。下手なホラーよりこえぇ・・・・・・。この前、体験したあの化け物との戦いよりも恐怖を感じる・・・。

紫「それからというもの、不用意に隙間の中であってもブロントさんに近づけなくなった上に彼女達に勘づかれそうな恐怖感を私は味わいましたわ。今でも思い出せます。彼女達の生気のない虚ろな瞳・・・・・・。」

紫さんはそう言うと、表情は先ほどと変わらないが、体を少し震わせる。きっと、その時の光景を思い出しているのだろう
・・・・・・ていうか、話を聞いている俺も怖いガクブルガクブル

紫「だから、私はやり方を変える事にしましたわ。それはブロントさんと一緒に住んでいる妖怪と行動を共にする事。妖怪と言っても、見た目は子供で名前はルーミアって言うんですの。それで、なぜか彼女達以外の女性でブロントに近づけれるのはルーミアだけでしたから、本人にも内緒で行動を共にする事にしましたの。何かハプニングが起こって、彼女達がそれに集中した時に隙間でブロントさんを救出をするために。それで、彼女達が近くにいる時以外はルーミアの側にいて、何かあればすぐ行動できるようにしましたわ。それが私が考えた唯一の方法。それで、ルーミア自身もブロントさんが変な事に勘づき始めましたから、もうそろそろハプニングが起こりそうな予感を持ちながら、彼女の側にいると予期せぬ出来事が起こりましたわ。それは一人の女性がブロントさんに会いに行った事。それを目の当たりにしたのはルーミアと共に寺子屋から帰ってきた時ですが、可哀想に霊夢達に襲われて殺されかけていた場面でしたわ。そして、彼女達はルーミアが帰ってきた事に気付いて、ニッコリとしました。私はそれを見て、狂気に感じましたわ。一人の女性を殺しかけているのに、その反応ですのよ?考えられませんわ。それで、彼女達の変わりようにルーミアは泣きそうになりながら恐怖を抱きましたわ。私はそれを見て思いました。もしこのまま、ルーミアが彼女達にとって言ってはいけない言葉を発したら・・・・・・私はそれを阻止すべく霊夢達がルーミアに集中している隙に瞬時に隙間を操って、彼女達を隙間に隔離しましたわ。その後、ルーミア、ブロントさんを八雲邸に移しました。ちなみに、殺されかけていた女性は私がブロントさん達の移動を終わらせてから見ましたら、いなくなっていましたわ。まぁ、見た目は妖怪でしたから自然治癒して無事だと思いますが・・・。」
俺「・・・?ちょっと待ってください・・・・・・なんで、八雲邸に移動させたブロントさんを彼女達がいる隙間に移動させたんですか?その時点でもう救出は成功したのに・・・。」
紫「・・・そうですわね。確かに、一度はブロントさんを無事に救出できましたわ。でも、その後が問題だったんですの。」

その後?彼女達が奪い返しにでも来たのか?

紫「私は様子を見ようと彼女達を隔離した空間を覗こうとしましたわ・・・・・・・・・でも、恐怖でどうしても手が止まってしまうんですの・・・。見た瞬間、狂った彼女達が何をしてくるかわからないから・・・だから、どうしても手が震えて見れなかったのですわ・・・。」

紫さんは無理矢理余裕そうににこやかな表情をするが、俺は震えている右手を見逃さなかった。・・・どれだけ怖かったか正直分からないが・・・・・・今でも思い出すだけで恐怖で震える事はよくわかった。

紫「そして、一度見ずにそのままにするというのも考えましたけど・・・果たしてそれは最善策なのかどうかは私にはわかりませんでしたわ・・・自分が隔離として使用した空間は絶対脱出不可能なのは自分でよく分かっている。分かっていますけど・・・・・・その゛絶対″が本当に絶対なのか自分自身疑ってしまったんですの。恐怖のあまりに・・・。その絶対が彼女達に対して通用するかどうかはわからないから・・・。だって、今の彼女達は゛普通″じゃないから、どうしても不安になってしまうんですの。」
俺「それで・・・・・・どうしたんですか?」
紫「それで、私はまず彼女達の主または関係者を集めて、今回の件を説明すると共にこの後彼女達をどうするか相談しましたの。それで出された結論は゛ブロントさんへの『愛』の感情を無くさせる″ことですわ・・・。」
俺「無くすって、そんな事ができるんですか?」
紫「えぇ、提案したのは八意永琳。薬でそれを無くす事を永琳は提案したんですの。」

薬・・・・・・確かに、あの人なら・・・できる。一度は剥がれたナイトの顔を元通りにしたんだ。それぐらい、大丈夫か。

紫「彼女達にとっては酷な話ですが、元々は゛ブロントさんに対して『好き』″という感情が原因でこんな事になりましたわ。だから、手段は選べなかったんですの。そして、永琳の提案に全員が賛成。今回の件は代わりに永琳の薬で霊夢達の゛狂気″を消せたとしてもそれは一時的でブロントへの愛がまた強すぎると再発しかねないというのはすぐに想像できましたわ。だから、ブロントさんへの愛を抹消しないといけないのは皆が理解したのですわ。それで薬の投与方法はそのまま薬を飲ませるのは無理ですから霧状にして空間に充満させてゆっくりと治していく事に決まったんですの。その時に、異変に気付いた霊夢達が何をし出すかわかったものではありませんから、意識を他に逸らすためにブロントさんには悪いですが、戦闘不能の状態でその空間にいさせているんですわ。戦闘不能状態であれば、薬を吸うことはありませんし。・・・それに、それで霊夢達が治ったかどうかわかりますから・・・。」

・・・・・・・・・ん?・・・あれ?

俺「・・・それじゃあ、今、彼女達を治療しているんですよね?」
紫「えぇ、治療していますわ。」
俺「じゃあ、なんでそこからブロントさんを救出するんですか?」

治療しているんだったら、救出しなくてもいいんじゃ・・・

紫「・・・実はこれは永琳曰く三週間で治る予定が・・・・・・もう一ヶ月経っているんですの。」
俺「・・・えっ?薬が効いていないんですか?」
紫「う〜ん、というよりは・・・永琳曰く、彼女達のブロントさんへの愛の深さの底がわからないって言っていましたわ。」
俺「底が・・・わからない?どういう事なんですか?」
紫「永琳のその三週間は通常の人がどれくらいである特定の人への愛が無くなるか計算したものなんですの。まだ恋人関係の。家族だとそれより長くなりますわ。でも・・・・・・彼女達の場合、それよりも長くなる可能性があるみたいなんですの。」

・・・・・・俺はそれに対して何も言えなかった。家族の絆の愛より無くすのが長引くなんてどういう事だろうか?・・・俺には到底理解できn

リ「HAHAHAHA!!ブロントくんもモテモテだね!(キラッ」

って、リーダーーーーー!!!モテモテとかそういう問題じゃないでしょ!?ていうか、空気読んで!!今はかなり重要な場面!!紫さんも笑わないで下さい!!可愛いけど!!そこは引く場面!!

紫「クスクス、確かにそうですが、これは一方的過ぎる愛。ゆえに、相手の肥大化した妄想が歪んだ愛を作り出しているのですわ。」

な、なるほど・・・何かリーダーのおかげで紫さんに笑顔が戻ったばかりか、なぜ家族の愛より治るのが長引くのか理解できた・・・

紫「それでブロントさんを救出すると共にもう一つお願いがあるんですの。」

もう一つお願い?・・・・・・なんだろ・・・嫌な予感しかしない・・・・・・

紫「ブロントさんを救出すると共に彼女達・・・霊夢達から狂気を解放してくれないかしら?」

・・・・・・・・・ちょっと待て。永琳さんの薬でも治らないのにどうやって・・・・・・いや、待て・・・・・・でも・・・・・・いや、まさか・・・・・・・・・

俺「あの・・・紫さん?」
紫「何かしら?」
俺「そういえば、なんで俺達にこの依頼を?」
紫「あなた達、この前、モンスター化した妖怪の狂気を解放したじゃない。実は、私、前々からその件は知っていて、その妖怪もなぜかブロントさんに固執していた。その感じが、霊夢達と類似していたから彼女を解放させる人をずっと待っていたのですわ。」

・・・・・・・・・という事は・・・・・・

俺「・・・・・・ちなみに・・・紫さんのイメージとしてはどんな解放の仕方で?」
紫「あの時の事はよく覚えていますわ。バニシュカーズナというもので解放お願いできるかしら?もちろん、違う方法でもいいですわ。」

勘違いキターーーーーーー!!!!
いや、事実だけど、バニシュは本当は万能じゃないよ!?むしろ、ただの神聖魔法で敵に光属性のダメージを与える魔法ですよ!?そんな、一攫千金みたいな賭けはしないで!!戦うの俺達なんだから!!そして、Cさん、密かにガッツポーズするな!!ムカつくから!!

B「・・・・・・槍がメインじゃないのか・・・。」

大丈夫だ、Bさん。一生、槍のおかげで依頼は来ないから。
ていうか、Dさんから不満オーラが・・・そうだよな。なんか、俺達よりバニシュを選んだと思うと人生負けた気がする。

C「やはり、バニシュの素晴らしさが分かっていますね。お近づきの印にバニシュどうぞ。」

そして、Cさんは当たり前のように固形化したバニシュを渡すなーー!!

紫「有り難く頂きますわ。」

そして、紫さんも受け取らないで!!

C「そのバニシュは食べれますので。」

食べれません!!食べれませんよ!!Cさんしか食べれませんよ!!!

紫「あら、そうなの。それじゃあ、今夜の夕飯に使いますわ。」

使わないで!!食べたら、血を吐くよ!!本当だよ!!それを従者っぽい人を呼んで渡さないで!!そして、持ってかないで!!!

C「それで紫さん。お願いがあるんですが・・・。」
紫「あら、何かしら?」
C「バニシュの力を強固にするために人里にバニシュ教会を建てる事をお願いしたいんですが・・・。」

何お願いしてんの、Cさん!!しかも、なんだよ、バニシュ教会って!!それ、マートがダメだって断ったやつじゃん!!
それに、紫さんがそんなの建てれるわけがないd

紫「えぇ、いいですわよ。」

聞いたーーー!!!紫さん、お願い聞いたよ!!しかも、建てれるのかよ!!あなた、マートより偉いんですか!?限界爺より凄いんですか!?

紫「後、何かバニシュに関してお願い事はあるかしら?」
C「では、このバニシュ本を買ってくれませんか?」

何、そんな事までお願いしてんの!?しかも、ちゃっかりリストアップした紙あるし!!
今すぐ破り捨てたいけど、ダメだ!!紫さん、バニシュ脳に冒されてるからそんな事をしたら、多分キレる!!

紫「・・・・・・合計したら一千万円ね。いいわ。前払金で買ってあげますわ。」

そんなものに前払金を使わないで下さい!!ていうか、よく一千万円も躊躇せずに払いますね!!紫さんはセレブですか!?セレブママですか!?

リ「そういえば、成功報酬はいくらなんだい?(キラン」
紫「成功報酬は八百万円でいかがかしら?」

何も躊躇せずに八百万!?前払金と合わせると千八百万円!?どんだけ、バニシュに期待しているんですか!!
いや、でも、八百万円も貰えるなら分け前の時に充分・・・・・・あ、そういえば、うちのリーダーは何も言わず八割持っていくんだったorz

リ「では、改めて依頼を受けるよ(キラン」
C「バニシュの力で救い出します!」

お二方、やる気満々だね。
俺はなんだか、やる気がさっきの話もあるけど、バニシュ話で一気に萎えたよ・・・。
Bさんは槍が頼られていない事に傷ついているし、Dさんは不満をぶつけるようにDさんの財布を盗もうとするEさんをぶん殴る。八つ当たりだが、仕方がない。だって、俺達はバニシュに負けたんだから・・・何も変わらないEさんがちょっと羨ましくなる。まぁ、あの人は盗めればどこでもという人だからな・・・はぁ・・・・・・

紫「それじゃあ、準備がまだ私の方にありますから、今日はここに泊まっていきなさい。相手は十人だから、人数の不利がありますわ。だから、私が六人の人を集めて参りますから。」

今日は八雲邸で泊まりか・・・・・・ていうか、明日組む六人の人、可哀想に・・・。組む相手が全員ジョブがナイトでしかも内藤・・・そして、恐らく今回は全員バニシュを唱えるCさんのために盾役をやる羽目になるだろう・・・。




それから、俺達は夕食をご馳走になるが、出されたのはご飯、味噌汁、焼き魚に・・・バニシュの刺身。
炊事を担当したであろう狐の尻尾を九本生やした綺麗な女性の手は絆創膏だらけだった。きっと、無理をしたのだろう、可哀想に・・・。
そして、バニシュの刺身を何も疑わずに食べた紫さんは血を吐いた。言わんこっちゃない。
ちなみに、Cさんは当然のように噛んで食べている。紫さんはそれを見て、゛さすがはバニシュ使いね″と言った。
うん、Cさんは本当はナイトだけど、メインはバニシュ士。だから、間違ってはいない。
後、聞いた話によると紫さんは゛幻想郷の管理者″らしい。だから、人里にバニシュ教会を建てれるのか。納得。そして、それと同時に゛幻想郷の管理者″である紫さんがバニシュ脳になった事によりもう幻想郷は終わったなと思った。








八雲邸で一夜を過ごし、ブロントさん救出の今日。
俺達は準備を終え、紫さんが俺達の部屋に来るのを待つ。ちなみに、Cさんは・・・背中に大きめの袋を背負っていた。中身はバニシュ本。今日、朝起きたら、Cさんの枕元に大量のバニシュ本が積まれてあった。Cさんはそれを見た瞬間、すぐに読書に入る。いつも通りだった。ただ残念なのは、一千万円がこれに使われた事と紫さんの頭がバニシュ脳になってしまった事だ。
本当に残念だ。主に幻想郷が。

D「wwwwwww遅くねぇかwwwwwwww依頼主wwwwwwwww」

確かに・・・少し待っててって言われてから大分経つ・・・。

リ「う〜ん・・・六人集めるのに手こずっているんじゃないかな?」
B「今日はwwwwwwww俺の槍が活躍する時wwwwwwwww」

Bさんが昨日、バニシュに負けたのがよほど悔しかったのかやる気満々。だが、残念。
今日はバニシュのために盾になる日だ。

紫「お待たせしましたわ。」

おっ。紫さんが隙間から部屋に入ってきた。

紫「それでは、今、外にこれから組む六人の方がいますので・・・。」

紫さんはそう言うと、襖を開ける。そこにいたのは・・・

忍「て、てめぇらはぁあああああぁぁ!!?」
鍵「に、忍者さん、知り合いなんですか?」
水「いきなり、大声出すなんて妬ましい・・・。」
メ「ねぇねぇ、不破。なんで、今日のノブヲは大声出してんの?」
刃「んんんんんんんんん!!訓練だああああああああ!!!」
獣「あ、皆さん、おいすー('▽')ノシ」

・・・この人達か・・・・・・可哀想に・・・。

リ「今回、組むのは君たちか。よろしく(キラン」
鍵「きゃっ、眩し!」
水「露骨に前歯を光らす・・・妬ましい・・・。」
忍「おい、紫!!こいつらと組むなんて聞いてねぇぞ!!だいたい、野獣がいる時点でおかしい!!」
獣「忍者さん、酷!!Σ(゜Д゜;)」
紫「まあまあ、ブロントさんの為だと思って。」
忍「ブロントの野郎もこんな内藤共に救出されるのは絶対に望んじゃいねぇぞ!!誓ってもいい!!!」

おい、俺は内藤じゃないぞ。だが、俺達に救われる事に関しては、ブロントさんは絶対に望んでいないというのは確かだ。俺だったら、願い下げだしな。絶対、後悔すると思うから。

リ「HAHAHAHA!!落ち着きなよ、忍者くん(キラン」
忍「これが落ち着けられるか!!後、前歯ロストしろ!!紫!なんで、こいつらを頼りやがった!!」
紫「それは彼らがバニシュを扱えるからですわ。」

出たよ、バニシュ脳。Cさんも頷くな、ウザい。
忍者も口をポカーンと開けて驚いてるし・・・ていうか、そう。その反応が正しいんだよ。くそ、俺も大分このPTにいるせいか常識が分からなくなってきた・・・。

ル「ちょっと待つのかー。」

ん?あの子は確か、昨日一緒に食卓にいた子・・・。

紫「あら、ルーミア。どうしたのかしら?」

あぁ、あの子がルーミアちゃんか。
昨日は内藤共の色んな暴走を食い止める(キルという名の)為に奮闘していたから名前を聞きそびれてしまったが・・・

ル「これから、ブロントさんと霊夢達を助けるのかー。」
紫「えぇ、そうよ。バニシュによってね。」

紫さん、バニシュから離れてください。そして、小さい子に変な知識植えつけないで下さい。

ル「そーなのかー。」

ルーミアちゃんは理解したのかしていないのか分からない返事をした後、俺達の方に近づく。・・・どうしたんだろ?

ル「どうか、霊夢達を助けて下さい。」

・・・えっ?ブロントさんをじゃなくて?

ル「霊夢達は悪くないの。ただちょっと好きという表現を間違えただけなの。だから・・・。」

ルーミアちゃんは悲しそうな表情をした後に俯いてしまう。
この子・・・・・・純粋だなぁ・・・

ル「?」
俺「大丈夫だよ。俺達がちゃんとブロントさんと霊夢達を助けるよ。」

俺はルーミアちゃんの頭を撫でながらそう言うと、ルーミアちゃんは嬉しそうに笑顔で頷く。

ル「うん!・・・あのね、私もブロントさんの事が好きなの。でも、私が一番好きなのはブロントさんと霊夢と一緒に過ごす事。だって、毎日豆腐生活でも三人でいると胸がポカポカと暖かくなるもん。」

本当に純粋だなぁ・・・・・・ヤバい、目から海水が・・・;;

忍「チッ・・・・・・おい、てめぇら、一つ言っておくぞ・・・・・・ブロントの野郎の仲間を助けるという話は俺達は聞いてねぇが、戦う事は免れねぇ。おめぇらが助けるんなら、勝手にしろ。だが・・・・・・あいつらは強いぞ。覚悟はあるのか?」
A「HAHAHAHA!!覚悟も何も依頼されたからにはやるのみさ!(キラン」
B「槍の力をwwwwwwwww見wwwwせwwwwるwwwwとwwwwきwwwwww」
C「バニシュで世界を救うさ。」
D「wwwwwwwそんなに強いならwwwwwwwwたwwwwのwwwwしwwwwみwwww」
E「無理wwwwwwサポシwwwwwwww」

若干一名拒否しているが、気にしない。にしても、こいつらカッコいい事言ってるけど、なんか今回の勝利の鍵はバニシュって・・・・・・まぁいいや。俺もルーミアちゃんを安心させるために・・・

俺「ルーミアちゃんが望む未来の為に頑張るさ。」
紫「それじゃあ、準備がいいのなら送るわよ?霧状とした薬も除去済みだから、安心して行ってもいいわよ。」

別に俺はブロントさんの事が好きでは・・・リーダーはわからないけど。アブノーマルだから。
さて、準備は出来ているから昨日の話を思い出してgkbrしない内に早く送ってm!!?

俺「あっ!!?」
リ「HAHAHAHA!!どうしたんだい、naitouくん。武者震いでもよおしたのかい?(キラン」

違う、死ね。

俺「Dさん、両手棍の準備は?」
D「余裕wwwwww」
俺「マクロ設定は?」
D「スマンwwwwwwwちょっと待ってwwwwwww」

あ、危ない・・・・・・もしこのまま行ったら、ヤバかった!!

忍「・・・・・・大丈夫なのか、本当に・・・。」

忍者の心配は最もです。よくこれでやってきたな、俺ら・・・・・・



あきゅろす。
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