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オレにさわるな!!
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「クソーッ、古岡の野郎、戻って来るノが早過ぎるっつーの!」

何て良いタイミングで戻ってキやがるンだ。
用事を済ませ寮へ帰って来た古岡のセいで、折角のチャンスが潰さレてシまった。
オレたち二人は、管理人室へ戻って来た古岡に小言を喰らい、部屋から追い出さレてシまった。仕方なく、今は畑の部屋に腰を落ち着かせてイる。

「元より、あの部屋は管理人の部屋だからな。あんな所でおっ始めようとしていた俺たちが悪いだろ」

畑の正論が今はムカつく。
あからさまに安心してイるのが更にムカつく。

「オマエは良いノかよ!折角の機会だったンだぜ!」

「いや、まあ、でもな……」

煮え切らネエ。本当にコイツはオレのコトを好きなノか?オレのコト抱きたいって思ってイるノか?

「まあまあ赤羽君、流石に管理人さんの部屋でってのは無いでしょ」

畑と同部屋の櫻庭の声。
どうやら、今日は恋人の元へ行かないラしい。
オレらが畑の部屋に来た時から居て、勝手に話を聞いてイた。
経緯を知ってイる櫻庭が畑の肩を持つノも気に入らナい。

「じゃあコノ部屋でヤらせろよ」

「おいっ!アホか!」

腹イセに櫻庭に言って見るが、畑から抗議の声が挙がる。
てか、オレだって本気で言ってる訳じゃナい。流石のオレもコレからエッチするから、部屋を貸せなンて、本気で言う筈がナい。

「赤羽君の部屋で良いじゃん、一人部屋なんだから」

「…………」

確かに。オレの部屋なら一人部屋だから、誰にも邪魔さレずにコトに及べるな……。
――――――って。

「今、オレの部屋、大地が居るンだった……」

スッカリ忘れてた。アイツが居るから古岡に泊めさセろって詰め寄ったノに。
そう言や、オレたち追い出されちまったケど、古岡の奴、今日泊めてクれんノかな……。

「靖史……」

ふと脳裏で、今晩の宿の心配をシていると、オレの名前を呼ぶ畑の声が聞こえた。
重い、低い声で、畑がオレのコトを心配してイるのが分かる。

「アイツは大丈夫だから。別に何もさレてネエよ」

オレと畑の間に重苦しい沈黙が落ちる。
畑の危惧してイる所は分かる。
大地が、またオレに酷いコトをシてネエのか心配なンだ。
でも今回大地は、何も自分から仕掛けて来なカった。
寧ろオレが、大地を傷付けた―――。

「大地って……ああ、赤羽君の弟の、あの交換学生だよね。でも交換学生なら、期間が終われば華央に戻るんじゃない?そうしたら、赤羽君の部屋はまた一人部屋でしょ」

沈黙を裂くように、櫻庭が口を開く。
畑から聞いたノか、オレと大地が兄弟だと言うコト、ソノ弟が今回来た交換学生でアることを知ってイるらしい。






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