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オレにさわるな!!
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ソノ出来事が切っ掛けでオレは畑や元矢の元から去った。
コレが、畑が初めてオレが男に抱かレているのを見た瞬間。次が体育祭で。倉庫で大地に犯さレてた時。そシて最後が、アノ男からオレを救い出してくレたアノ時。

何れも自分の意志ではナかったけレど、男に抱かレ悦んでイる、汚れたオレの姿を畑は見てキたノだ。
ソレでも、本当に汚れてイないなンて言えるノか?
オマエだって、心の底ではオレを軽蔑してルんだろ?だからヤらなかったンだろ?
そりゃ、こンな野郎嫌だよな。抱けナいよな。

もう正直に言ってくレよ、畑。







「アホか、お前のことそう思ったことなんて一度もねえよ」

肩を、腰を、強く抱かれる。
ソノ力強さに、畑の想いの丈が伝わってくる。

「もう止めようぜ。自分のことを蔑むようなことを言うのは」

畑の言葉が胸を打つ。
オレは自分が嫌いダった。
殺しタい程、嫌いダった。
なンで、抵抗シないノか。
なンで、嫌なノに感じてシまうノか。

毎日のヨうに考えて、ソして自己嫌悪してイた。
愚かな自分を蔑むコトでシか、オレは生きてイくコトが出来なかった。

もう、止めてイイのか?
もう自分を蔑まナくても、嫌いにナらなくてもイイのか?
オレはオレを好きにナってイイのか?

「綺麗だよ。お前は、ずっと綺麗だよ」

“綺麗”
オレが?汚くナいノか?

「初めて会った時から、ずっと思ってた。まるで天使みたいな奴だって」

魔法のように、畑の言葉がオレの中に今までずっと巣くってイた悪しき感情を浄化してイった。
救わレたような気がシた。
漸く、心の奥底の深い所から。

「二人でいれば、そりゃあヤらしいことをしたくて堪らなくなるし、上半身裸で目の前を歩かれれば、釘付けになっちまう位お前の身体を意識しちまう。今だって、腕の中にお前を抱いていると考えるだけで、エッチなことをしたくて堪らなくなる」

捲くし立てると言うよりは坦々とオレに言い聞かセるように語る畑に、頬が熱くナる。今までソんなコト考えてヤがったノか!

「お前に全然魅力がないなんてことはないし、寧ろ魅力があり過ぎて困ってるくらいだ」

自慢気に告げる畑に、オレの脳内から先程までの感動が払拭さレてイく。
寧ろ今まで形を潜めてイた怒りが再度ムクッと起き上がるノを感じた。

「じゃあナんでヤんねえンだよ!」

ソコまで言うノならヤりゃあ良かったンだ!据え膳食わぬは男の恥って言うじゃネエか!








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あきゅろす。
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