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現代
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「この子には、勉強に専念してもらえるよう、金銭面でしっかりフォローしようと思います」

「ありがとう御座います、お母さん」

「…………?」

俺の進路の話をしている筈なのに、俺一人が除け者で話が進められていた。
かく言う訳で、俺はアルバイト生活から強制的に解放され、代わりにT大を志望することとなったのだ。

一方、自称宇宙人はと言うと。
進級当時、それはそれは、荒れた。
荒れた、と言っても何も暴力に走った訳ではない。態度で不機嫌を表現して回った。
自称宇宙人にとって、俺とクラスが離れたのは不本意でしかなかったらしい。

「折角、戸野部と同じ大学って書いたのに」

これなら、意味がないと俺の部屋に来ては愚痴を溢していた。
自称宇宙人は、同じ大学と書いていればクラスも同じになれるだろうと思っていたようだ。文系・理系のことはどうやら思考の範囲外だったようだ。

自称宇宙人の特進理系クラスの担任は、なんと俺たちの一年時の担任だった。
だからああも自称宇宙人をT大志望にさせたかった訳だ。それを知ってひどく納得した。
担任が同じだったものだから、自称宇宙人の不機嫌の矛先は一身に担任へと向かった。俺と同じクラスにさせなかったのを恨んでいるらしい。担任からすれば、自分のクラスからT大の進学者を一人でも多く出したいだろうし、この采配は当然のものだろう。

始終不満を垂らしている自称宇宙人に、少しだけざまあみろと思ったのは内緒の話だ。

かくして、久し振りにクラスを離れることになった俺たちだったが、同じ特進コースということもあって、二年時は五教科以外のほとんどの教科で合同授業を行っていた。
その為、何かと自称宇宙人と顔を合わせることになって、別のクラスになった実感があまり湧かなかった。

二年になって変わったことが、もう一つある。
自称宇宙人の成長だ。
一年の夏から急激に成長期を迎えた自称宇宙人は、二年にもなると日本男性の平均ほどの身長まで成長していた。どうやらまだ背は伸びているようだから、もっともっと伸びることになるだろう。
一年生の頃は美少年で通っていて、可愛いと言われていた自称宇宙人だったが、二年生になると美少年と美青年の中間といった、その頃特融の何とも言えぬ色気を身に着け、周りからは中性的で麗人のようだと称されるようになっていた。
そう、モテ期の襲来である。

俺とクラスが離れたこともあって、自称宇宙人の傍には誰もいなくなった。
そこに目を付けた女子生徒たちが、こぞって自称宇宙人の隣を争うようになったのだ。
驚くことに、その中にたまに男子生徒の影もあるから驚きを禁じ得ない。

「今日、何故か知らないが見知らぬ男子生徒に呼び出された」

「それで?」

放課後の俺の部屋で、ゴロゴロしながら突然話し始める自称宇宙人。話半分に聞いていると、驚きの言葉が返された。

「学校の裏手で突然押し倒された」

「は!?」

勉強する手を止め、思わず大きな声が口から発せられた。

「そ、それで……?」

怖いもの聞きたさというものだろうか。俺は勉強なんてそっちのけで、話の続きを要求していた。





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あきゅろす。
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