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小説
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翌朝目覚めると、コウが輝く笑顔でナティルの目の前に居た。
「ナティル!今日はすっごく良い天気だから、ピクニックに行こう!」
「すみませんが、その時間がありません」
愛用の眼鏡をかける為にベッドから降り、着替えながらにべもなく断るナティルにコウは膨れてしまうがすぐに機嫌を直して近寄ってくる。
「じゃあ明日!」
「明日もきっと無理です。」
「じゃあ明後日!!」
コウがへこたれずに何度も言ってくるので流石にナティルもおかしいと気付いた。
「…何かあるんですか?」
尋ねかけると、コウは恥ずかしそうに俯く。
「いつでも良いから…出かけようよ。な?」
上目使いで言われると断れなくなる。
仕方なく了承するとコウは嬉しそうに笑って
「ナティルの誕生祝いは俺が一番に送れる!!」
「誕生…。あぁ、そういえば」
改めて暦を見れば確かに自分の誕生日は今日だった。
ふ、とそこでとある人物の姿がよぎった。
「誕生日…誕生……。あぁあああ!!!しまった!」
我ながら酷い失態をしてしまったと気付いたナティルは珍しく慌てふためいた。
毎年毎年、誕生日には酷い目にあっているのだ。
だから今年こそ、対策を講じようと思っていたのだが
如何せん鉱石以外に興味が無いので忘れていた。

そして響く、悪魔のノック音。
「は…はい。」


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