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小説 ﾍﾟｰｼﾞ:1 ナティルの中に学生時代の苦い思い出がよみがえる。 学園始まって以来の秀才。天才の名を欲しいがままにしていたナティルは、その分嫌がらせや身に覚えのない誹謗中傷にさらされていた。 ナティルの家は商家で、資金は潤沢にあった為、入学した当初は裏口入学に違いないだとか成績も賄賂で手に入れていると言われた。 教科書も何度買いなおしたか分からない。生活用品も、ナティルが学生寮に置いておいて無事だった物など何一つ無かった。 鍵をかけなかった訳では無い。かけていても無くなったり、壊れたりしているのだ。 代わりに手に入る物なら、執着しなかった。 それがどんなに高価な物だろうと、ナティルにとっては価値の無いものだったから。 ［次へ#］ [戻る]  |