波乱の予感?
「……会長、ちょっとお話が」
「あらぁ、ルルーシュどうしたの?」
「……昼間の写真のことなんですが。あいつまで会長のお遊びに巻き込まないで下さい! 俺ならまだしも……あいつが、迷惑するだけで……」
「別にいいじゃない。それに、作っちゃえば? 既成事実」
「はぁ!?」
「的を射んとすればまず外堀からってねぇ」
「微妙に違いますよ」
「学校中に大公開☆ で、公認の仲になっちゃえば、楽チンじゃない。そのまま付き合っちゃえばさぁ。さぁ、どうするルルーシュ・ランペルージ! 優勝してご奉仕を取るか、優勝せざるして既成事実を取るか」
「あいつの気持ちはどうなるんですか!?」
「じゃあ、ルルーシュの気持ちはどうなの?」
「話をそらさないでください!」
「んー……だってさ、あいつあいつって……ルルーシュ自身は、どう思うの? もし、そんなことになったら」
「……ッ」
「迷惑じゃ、ないんだ?」
「………………いえ、迷惑ですよ。俺にとっても、とても」
「……ふーん、そっか」
「だから、あんまり阿呆なことしないで下さい」
「……まぁ、いいけどねぇ。でもね、ルルーシュ。そんなあたしの迷惑被るやり方じゃなくても、優勝も、あの子も、どっちも取れる方法はあるのよ?」
「……関係ないですよ、俺には。あいつとは、これっぽっちもそういう仲じゃありませんし」
「そ。残念ねぇ〜」
(優勝かあの子か、どっちか選ばせて悩ませてやろうと思ったんだけどね……ちょっと意地悪だったかな? ……ま、これくらいしないとこの鈍感は動かないでしょ)
(既成事実なんて……一瞬でも思った俺が馬鹿だった、か……でも、どうせあいつは俺のことなんて……)
***
「迷惑ですよ、俺にとっても」
わかってる。
あの場だったら、そういう風に言うしかないもんね。もしルルーシュの立場だったら、私だって、そういう風に言うと思うし。
それでも、不意にあの言葉が聞こえてしまったら、やっぱりショックだったなぁ、なんて。
立ちすくむ木立の中で、ミレイ会長が去った後も、彼に歩み寄る勇気は、なかった。
ただ、掌の中でジュースがぬるびていく。
なんで、傷ついてるんだろう、自分。
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