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「先程の質問に対する答えをまだもらっていないのだがね」

「質問?」


……て、何でしたっけ?


「一度君を解剖してみたいと言ったのだが」

「………………」

空耳じゃなかったぁあああ!!



「ダダダダダダダメですよっ!何言ってるんですかいきなり!?」


ズザザザザザッと音が出るほど素早く背後の壁まで後退り、いっぱいに突き出した両手をブンブン振って見せる。


「なに、そう心配しなくても手荒に扱う気は無い」

丁寧に扱ったってダメですよ!
いくらラチェット先生だって万が一って事があったらどうするんですか!?」


「勿論慎重に行うつもりだ」



人体の神秘を舐めてんだろこの変態軍医!!

いやあっ!献体を診るような目付きは止めてください!
なんかちょっとカメラアイの輝きがいつもの三割増しなのは何でですか!?

背中はペッタリと壁に着いていて、もう逃げられる場所は無い。
普段は穏やかな物腰の軍医だが、人間とはかけ離れた機能を有したオートボットである。隙をついてドアへ走っても、捕まるのは目に見えている。

ででででも逃げなくちゃ!


「ラチェット先生疲れてるんですよ!ずっとラボに籠りきりなんてやっぱり不健康です!一緒に休憩…」


片手を“待て”の形に突き出したまま何とか扉の方へ近付こうとジリジリ背中を擦っていると、視界の隅でその巨大な扉が大きさに似合わぬ軽い音と共に開かれた。


「ラチェット、たまには休……」

『チッ』


定期報告時以外で最近顔を見ない軍医を心配したオートボット軍の司令官、オプティマス・プライムはラボに一歩足を踏み入れたところで停止した。
否、踏み入れようとした足は床上10センチのところで制止しているから、正確にはまだ部屋の外だ。


「……」


オプティマスは思った。
自分は通信用のチャンネルを間違えているのだろうか?

あれ?

舌打ち?自分いま部下から舌打ちされた?




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あきゅろす。
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