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あの日、君と交わした約束は、10年経った今でも、ちゃんと鮮明に覚えている。


…なんて。

そう言えば何だか聞こえがいいけれど、ちょっと格好いいじゃん俺って思うけれど、実際にはただ単に忘れられなかっただけで。


記憶力なんて人並み以下のくせに、3歩歩けば忘れちゃうのに、3歩じゃ何にも覚えられないくせに

そんな生きてく上では何の意味も持たないことばかり覚えてて。


いやね、人間って所詮そんな生き物だしさ、まあ少なくとも俺には必要な記憶なんだし──って何俺言い訳してんだろ。


まあつまるところ、俺は世間一般で言うところの、相当未練がましい男だっていうことです。



かっこ悪いってことは、重々承知。

だけどさだけどさ? 忘れられないんだから仕方ないじゃん。

そのうち老化でイヤでも忘れちまうんだろうから、今覚えておいても損はないと思う。いや、忘れちまうんだから損なのかな。まあそんなんどっちだっていいや。


要するに、無理に忘れようとする必要はないってことです。




だけれども。


幼かった俺達の拙い口約束なんて。

きっと君は、とうの昔に忘れてしまっているのだと思うんです。


…約束? なにそれ美味しいの? 状態だと思うんですよ。ぜったい。

その前に、俺のこと覚えてるのかな、あの子。






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あきゅろす。
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