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悔しいほど変化のない色
こんにちは
言いたくてもいっちゃいけないことだと分かってた
エメラルドグリーンの髪の毛がサラサラと揺れるたびに思う。
本当に無表情なんだな、と
「なんですか人の顔まじまじと見てー
気持ち悪いですよー」
「…すみません」
ほら、
悪態をつくときだって顔色ひとつ変えない。
「…ほんとですよー
気を付けてくださいー…」
…あれ
今日はやけに静かだな
顔を上げてフランさんを見てみた。
「!」
フランさんは悲しみに歪んだ顔をしていた。
「見ないでくださいー…」
彼の手は目元にあるペイントに触れていた。
「頭のカエルも、目元のこれも、マーモンさんの代わりなんです」
語尾は延びていなかった。
「そうなんですか」
なにも言わずにその場を去った。
耐えられなかった
フランさんの苦しみに歪んだ顔が
哀れみじゃなくて
そういう感情じゃなくて
(罪悪感にかけられた)
(初めてすまないと思った)
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