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SoulCalibur's Novel
断罪の剣V
―――ぶつかり合った剣と剣が、小刻みに震えた。
かすかにジークを嘲笑う声が聞こえた。
「相変わらずだ」
「…何?」
「傷口から邪剣と共鳴している気配がする。その血は、ソウルエッジが邪気と等しく染まっているんだよ」
「なっ…!?」
冷たい手で背中を撫でられるような悪寒が走った。ソウルエッジの呪縛からまだ解かれてないというのか。
「我が剣も貴様を逃す事を逃がさない。一度手にした者は永劫に―――闇の中で朽ちていくのだ!」
ナイトメアは剣でジークを圧した。再び振り上げて、今度は叩きつけるように。何度も何度も、ジークの剣が壊れるまで叩き続けた。
一方、圧されているジークはひたすら攻撃を受け止めていた。何度か受け止めているうちに―――疲労しているのだろうか―――動きが遅くなっているのを感じた。彼はナイトメアが剣を振り上げているうちに後方へと下がり、距離をとる。力任せに振り下ろされた剣は、地にめり込んだ。
「―――ぁぁぁああああっ!!」
ジークは無防備と化したソウルエッジに向かって、剣を振り下ろす。ナイトメアはその瞬間を見逃したりしなかった。彼は円を描くようにして、剣を振り上げる。
―――ぶつかり合った白銀の剣は、邪剣を弾きとばす。
宙を舞ったソウルエッジは弧を描きながら、地に落ちた。遠くで剣の叩きつけられた音が聞こえる。だが、それだけではなかった。
ジークの剣はさまざまな衝撃を受けてきたせいか、多数の傷とひびが入っていた。
「―――剣がもうすぐ折れるな」
ナイトメアが彼の剣を見、呟いた。口に出さずとも、剣が折れる時、敗北が訪れるのを知っている。
「だが、俺は負けないと誓った。…貴様はソウルエッジが消えて初めて敗北となるがな」
そう言って、彼は地面に立てた。そして、腰に装備していた一本の短剣を引き抜いた。ただし、剣をナイトメアにではなく逆手に持ち変える。今更、傷を受けた腕がズキズキと痛みだしていた。邪気に呼応するかのように右手も痛みだす。
―こいつに…賭ける―
ジークはためらいなく、短剣を突き出した。まず、上から蒼い鎧を引っ掻くようにして描く。当然の如くナイトメアは躱した。

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あきゅろす。
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