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SoulCalibur's Novel
No Way,No LineV
「――お前…誰だ?」
「…………え?」
青年の瞳が見開かれる。そして問うた。
「真喜志…俺を忘れたのか?」
青年はかすかに唇を動かして、声を紡ぎだす。彼の名とともに。
「何故、俺の名を知っている?」
「真喜志…俺は、ずっと貴方を探していたんだ。忘れられるはずがないだろう?」
「……………」
忘れられるはずがない?
そういえば、と彼は思い出した。黄が言っていた――。
「もしかして、お前が…黄の言っていた――キリクか?」
「あの人に会ったの?…そう、俺がキリクだよ」
あぁ、そうか――と真喜志は悟った。こいつが奴の言っていたキリクっていう奴か。
「でも――…」
キリクは口を開く。
「こんな場所で喜んでいいのだろうか…。四年前、俺と貴方は此処で出会ったんだ。出会ってしまったから…喜屋武やその仲間たちは殺されてしまった……」
灰色の海の向こうを見つめて、彼は言った。
「――今でも、あの出来事ははっきりと覚えているんだ…」
「……………」
「彼はとてもいい人だったよ。見ず知らずの俺の話をちゃんと聞いてくれて、でもそこまで深く探ろうとはしなかった。今思うと、喜屋武も同じ過去を持っていたみたいだね。…俺は聞けなかったけど
真喜志が帰ってくるまで待ってたんだ――新しい旅が始まるんだって、俺はその時、すごく楽しみにしていたんだと思う。喜屋武も笑っていた。それは初めてのことだったから。
でも…雲行きが怪しくなって、黒い船が現れて――」
そこから先は思い出したくもなかった。真喜志の仲間が殺され、血の海と化していた。自身も何かの衝撃で一部の記憶がなくなっている。キリクにとってはそんな事はどうでもよく、何より喜屋武たちを亡くしたことに深い悲しみに苛まれた。そんな時でも真喜志はキリクを立ち上がらせてくれた――喜屋武の為にも一緒に西へ行こうと。途中でシャンファという少女を加え、三人の旅が始まりを告げた。
だが、それも終わってしまう。かつての仲間たちを殺した化け物たちが巣食うアジトにたどり着き、真喜志の復讐の心に火を付けた。戦いは始まり。三人は散り散り、バラバラとなった。そして戦いが終わった時、其処に彼の姿は居なかった。ただ、壊れかけたヌンチャクだけが残っていたという…。
あれから一つ二つと月日が流れて、このままもう会えないのかと思っていた。だけど再会はやってきた。もう会えないと思っていた人に会えることが出来た。奇跡もしくは、それに近い偶然。
初めて出会ったその場所で、再び巡り会えた。
…とても嬉しかった。
キリクが地平線の向こうへ視線をやると、太陽は半分を地平線の下に埋まっていた。辺りは夕焼けに包まれている。
「もう日が暮れるね…。真喜志、今日は俺たちが泊まるところへ来るかい?シャンファもとても会いたがってたよ」
「いや…いい」
「…何故」

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あきゅろす。
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