[携帯モード] [URL送信]

SoulCalibur's Novel
断罪の剣\
青い光を放つ剣―――ソウルキャリバーを担ぐ。ずっしりとした重みが肩にのしかかる。
「確信したよ…これなら貴様に勝てる」
「……ふん、ソウルキャリバーか。この世界に再び戻ってきたか。…しかも覚醒するとは、な」
ナイトメアは礼拝堂の奥へて歩いていく。ジークはその姿を見てから、
「何処へ行く」
と問うた。ナイトメアは
「この日を待っていた…今度こそ決着を着けよう」
「あぁ」
ジークも、ナイトメアの後をついていく。彼はただ、シャンファの横を通り過ぎていく。しかし、シャンファは思いきって、止めた。
「―――待って!」
まだ息が荒いのか、はぁはぁと深い呼吸を繰り返しながら言った。ジークが足を止める。
「私も…行く。さっきは、助けてくれてありがとう。お願い…私もまだ戦えるから、一緒に行かせて」
「―――駄目だ」
「どうしてっ!?」
「お前がそこに居なければ―――、誰がその男を助ける?」
そこでシャンファは、はっとした。未だ目覚めないキリクを彼女以外に誰が助けることが出来るだろう?
ジークは再び歩きだそうとする。シャンファは慌てた様子で立ち上がった。
「ねぇ、待って!」
彼は視線をシャンファに移す。
「貴方の名前…まだ聞いてない」
ジークはゆっくりと視線を戻すと、意を決したように口を開いた。
「―――ジーク。ジークフリート・シュタウフェン…」
そして彼は歩き出す。邪剣に対抗しうる剣・ソウルキャリバーを持って。


礼拝堂の奥へと歩み続けながら、彼は眼を閉じた。あの二人のことも心配だが、自分自身も邪剣を封印することはできるだろうかと。だが、自分の考えを揺るがす不安は追い払っていく。悪夢からは、引き返すことは出来ない。それを断つために―――此処に来て、剣を取った。
覚悟はもう、出来ているから。
ジークはゆっくりと、眼を開けた。
―――景色は変わっていた。
礼拝堂は消え失せ、代わりに果てしなく大地が続いていた。地面から突き出たような岩が遠くに見える。足元には地面の隙間から細い炎がのぞいていた。空は冥く、暗雲に覆われている。
…これを地獄と言わずして、何と呼べばいいのだろう。
ナイトメアは、其処にいた。地獄の業火に包まれながら、ジークを見据えている。ジークは口を開く。
「―――この日を待っていた……長かったぞ」
お互いが剣を構えたのは、ほぼ同時。
そして―――、二人は大地を蹴った。

End

〜前へ〜〜次へ〜
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!